4月からお届けしている「沖縄‐しまのかたち‐』の第三弾は『沖縄の染織物』をお届けします。
沖縄には長い歴史と風土に育まれ、磨き上げられた伝統工芸品が数多くあります。伝統的工芸品(※1)については、全国で215品目中、京都府17品目、新潟県16品目、についで沖縄県は14品目(※2)で全国第3位を占め、他の都道府県を引き離しています。
また、沖縄は染織物の宝庫であり、そのうち12品目あり、その品目数は日本一。沖縄本島においては北部、中部、そして南部にそれぞれ異なった種類の染織物があります。さらに離島の島々にはそれぞれ固有な織物があり、俗に沖縄列島を工芸(染織)列島と呼ばれる所以です。
沖縄の多様な織物文化の理由として、一般に以下のように言われています。
- 亜熱帯地方であるため多用な植物が自生し、織物の材料(糸芭蕉・苧麻など)も自然染料の材料(車輪梅・カテキューなど)も豊富だった。
- 琉球王朝はアジア各地と交易を行う海洋国家であり、高度な文化や技術が流入した。
- 琉球王家は厳密に服制を定めており、それを維持する為に職人を保護し技術の向上がなされた。
- 特に宮古上布や八重山上布の産地である先島諸島は、薩摩と琉球王朝から二重の搾取を受けており、結果として優れた染織品を生むという効果をもたらした。
沖縄は島ごとに生活・文化・言葉・植物の植生も違います。沖縄織物の魅力は優れた作品が多いということや、生産量が少ないため、それぞれが色使い、文様、技術、技法に至るまで独自の個性を生かし、今日まで伝えられています。
※1 伝統的工芸品とは https://kougeihin.jp/homeA01.shtml
※2 沖縄の伝統的工芸品 https://kougeihin.jp/home447.shtm