今年も沖縄から、「工芸の島」とも呼ばれるほど盛んな伝統工芸品や、風土や歴史を育んだ民具や食品など、沖縄の宝モノが届きました。3年目になる今年は、衣食住それぞれのモノづくりに、ひとつづつクローズアップし、季節とともにご案内します。
最初の特集は 沖縄の青い空や海を思わせる このふたつをご紹介します。
琉球藍染
刻々と変化する沖縄の海の色のように、甕から布を出した瞬間、 空気に触れグリーンからやがて藍色に変化していく神秘的な染物「琉球藍染」。そんな沖縄の風土に育まれた「琉球藍」のストールを中心にお届けします。
「琉球藍」は、沖縄の風土に育ち、香り高い庶民の色として広く親しまれてきました。 沖縄県北部の本部町伊豆味(モトブチョウイズミ)を中心に各地で栽培され、沖縄の代表的な植物染料として製造・使用されてきました。琉球藍はキツネノマゴ科に属する多年草の植物で、藍植物の色素の紺を主軸に数々の琉球織物、そして紅型が染め伝えられています。古くから心の通った美しさは今日の化学染料で量産されたものと違い、温かみのある染料として使用されています。
nife
沖縄の言葉で「ありがとう」は、「にふぇーでーびる」と言います。自然への感謝、人やモノへの感謝の気持ちを込めて名づけられた「nife(ニーフェ)」。その中から、透き通るような白地に、藍色の唐草模様が美しく映えるarabesque(アラベスク)シリーズをご紹介します。
このうつわは、沖縄・読谷の眞正陶房(シンセイトウボウ) 安里貴美枝(アサトキミエ)さんが一枚ずつ手で描いています。手描きで一枚一枚表情が違うアラベスク文様は、やちむん伝統の唐草文様でありながら、柔らかく繊細、そして伸びやかなタッチは、他にない力強さがあります。それはまるで、沖縄の燦々とした太陽と抜けるような青空・海、そしてそれらが織りなすゆったりとした空気感が伝わってくるようです。