今年も沖縄から、「工芸の島」とも呼ばれるほど盛んな伝統工芸品や、風土や歴史を育んだ民具や食品など、沖縄の宝モノが届きました。3年目になる今年は、衣食住それぞれのモノづくりに、ひとつづつクローズアップし、季節とともにご案内します。
第二弾の特集は 沖縄の暮らしを映す 「沖縄の民具」と「かりゆしウエア」をご紹介します。
かりゆしウエア
「かりゆし」は沖縄の方言で、「めでたいこと」や「縁起の良いこと」を意味します。
最初は1970年に沖縄県観光連盟が「おきなわシャツ」として発売し、その後、2000年デザインの限定を緩和することで、名称を「かりゆしウェア」に統一し、同年の沖縄サミットを契機として広く着られるようになりました。
かりゆしウェアとは、デザインから縫製まで全ての工程を沖縄県内で行われ、沖縄らしさを表現した生地が使用されたもののことを指します。琉球王府時代から伝わる「御絵図帳」をもとに描かれた絵柄には、沖縄での生活と密接に関わるモチーフが多く、染色・織り・印刷などといった伝統的な手法が職人によって現代に引き継がれています。
沖縄の民具
日々の営みをよりよくするために作られ、長く愛用されてきた民具。生活用具である民具は、その土地の風土、気候によって素材、カタチ、使われ方は様々です。丈夫で水に強いワラビ(コシダ)のカゴ類は湿気の多い沖縄の生活で重宝し、北国で雪と寒さをしのぐための蓑は、沖縄では暑さと雨をしのぐために使われました。
地域の素材を使い、地域で作られている民具。生活に最も身近な道具であった民具も、今では作る人がめっきり少なくなり、沖縄中を探しても数えるほどしかいません。今の暮らしにも活かせる、働き者で美しい民具を、沖縄の沖縄島、伊江島、八重山など各地から集めました。