駿河の国の茶園めぐりTea Garden Tour of Suruga province
静岡県中部地区より、お茶づくりやその地域の暮らしなど体験できる「着地型観光体験サービス」を展開している茶園を取材しました。茶どころ静岡のプチツアーをご一緒に体験しませんか。
We interviewed tea gardens in the Chubu district of Shizuoka prefecture that offers experiential community-based tours where you can experience making tea and living in the area. Why don't you join us for a small tour of a land of tea?
茶園巡り
今回訪問する茶園(茶農家)は、静岡県中部地区にある「着地型観光体験サービス」を展開しており、首都圏から新幹線や車を使っても1時間半~2時間半で訪れることができます。
その茶園を取材していただいたのは、静岡を中心にご活躍の静岡食材コーディネーター:天野友江さん。さあ、ご一緒に茶どころ静岡の「茶園巡り」ツアーを体験しましょう。
深山園
美しき里山の茶畑 笹間
深山園は、静岡県の中山間部、大井川鐵道 地名駅から車で約20分、大井川支流の集落「笹間」にあります。※写真は深山園の茶畑に向かう道中にて
大井川支流の笹間川に沿って、山と茶畑に囲まれた10の集落があり、耳を澄ませば、野鳥のさえずりと川のせせらぎが聞こえてくる原風景の残る美しい里山です。昔より茶業や林業、山の恵みを活かし、自然と共に暮らしてきました。
深山園は、この地で130年以上5代に渡って家族で農業を営んできました。農業を営む事はこの地を守り、守られて生きること。そんな自然と寄り添ってできたお茶が、誰かの日常にそっと寄り添うお茶であってほしい。そんな想いでお茶をつくっています。
深山園5代目 岡村暢行さんご夫婦
こちらの茶園には、茶畑の中に設置されたプライベートティーテラス「里山の茶の間」があり、貸出しサービスを行っています。持ち込み自由で、好きな人と、好きな時間に、好きな形で気軽にご利用いただけます。
笹間地区は陶芸家、デザイナーなどクリエイターに人気のある里山。その魅力に惹かれ移住してくる人も多いそうです。
美しい里山の原風景に触れていただき、ゆったりとした時間をお過ごしください。
今回、茶の間で、岡村さんにご紹介いただいたのは、「やぶきた」品種の煎茶・紅茶・烏龍茶です。
日本茶の品種の中でも多くを占める「やぶきた」。深山園では、旨味、甘味、渋味、苦みのバランスの取れたこの品種を代々受け継いできました。
ささま煎茶は、「浅蒸し」と言って葉を出来るだけ短い時間で蒸気に当てて新芽の香りを逃さないようするなど繊細な工程を経ています。また焙炉(ほいろ)という昔ながらの道具を使って炭火で焙煎し、炭も地元笹間の木を使っています。ほいろ香という独特のこうばしい香りと炭火の遠赤外線効果でしっかりとした旨味のあるお茶です。
また、緑茶品種といわれている「やぶきた」ですが、敢えてその葉で烏龍茶、紅茶を作りました。どこか緑茶を思わせるような、さっぱりとした味わいが特徴で、癖がなく日常でも飲みやすいお茶に仕上がりました。
同じ品種でつくられたものは珍しく、飲み比べをお楽しみいただけます。
山の和紅茶(国産紅茶) 100g 1,500円
ささま煎茶 炭火焙煎(浅蒸し茶)100g 1,500円
山の青茶(国産烏龍茶) 50g 800円
山の和紅茶(国産紅茶) 100g 1,500円
ささま煎茶 炭火焙煎(浅蒸し茶)100g 1,500円
山の青茶(国産烏龍茶) 50g 800円
– 深山園
〒428-0211 静岡県島田市川根町笹間上914
tel.0547-54-0026 担当.岡村夏希
つちや農園
川根の天空の茶園
つちや農園は、大井川鐵道千頭駅から車で30分、大井川の山々を一望できる、川根地域でもひときわ標高の高い600mの斜面にある「おろくぼ」地区にあります。
自宅を囲むように茶畑が広がり、日常を茶とともの暮らしています。
150年前からお茶作りをしているつちや農園は、静岡の伝統的な「茶草場農法」でお茶を作っています。
「茶草場農法」は、茶園周辺の半自然草地のススキなどを茶園に敷き詰め、冬場の保温や保湿によって香りや茶葉の質を高める農法で、世界農業遺産に認定されています。自然の力を生かし、寄り添い、守りながら、有機質肥料を中心とした自然に優しいお茶作りに努めているのです。
急傾斜の厳しい立地ですが、今も80歳の園主の土屋鉄郎さんは毎日、この傾斜の茶畑を上り下りしているそうです。自然に従い、茶樹の声に耳を傾け、お茶を作り続けています。
お茶の淹れ方とともに、「極上手摘み川根茶-天空の風」天空のお茶を広報担当の裕子さんに淹れていただきました。
日本茶インストラクターでもあるので、お茶のお話がとても楽しくて勉強になります。
山間地特有の爽やかな香りと上質なうま味が特徴で、全国茶品評会出品茶と同格の栽培管理のもと、5月上旬、手摘みにより摘採したもの。標高が高いことで発生する山霧が、保湿しながら茶樹をつつんで日光を遮ることで、柔らかくなり、旨味成分・テアニンが多い茶葉になります。自園工場「川根みる芽伝統蒸し」で針の様に細く撚れています。
極上手摘み川根茶「天空の風」 35g 2,000円
実のなるものを育てるのが趣味という鉄郎さん、お茶請けの干し柿も自家製でした。
土屋農園では、広報担当の裕子さんが茶畑をご案内いただけます。
不定期ですが体験喫茶も行っているそうです。
詳しくはこちらをご確認ください >>
– つちや農園
〒428-0312 静岡県榛原郡川根本町水川972
tel.0547-56-0752 担当.土屋裕子
足久保ティーワークス茶農業協同組合
静岡茶発祥の地 足久保
足久保ティーワークス茶農業協同組合
静岡茶発祥の地 足久保
足久保ティーワークス茶農業協同組合は、JR静岡駅から車で約25分、静岡茶発祥の地「足久保」にあります。
平成9年(1997)に足久保の茶農家が約50軒集まり発足した「足久保ティーワークス茶農業協同組合」。山間の険しい土地で作られている為、後継者問題も出てきている中、後を継いだ数名の若者達を中心に、静岡茶発祥の地 足久保のお茶を絶やさず受け継ぐために活動をしています。
約800年前 鎌倉時代の僧 聖一国師が宋(中国)から持ち帰った茶の実を中国の茶産地と似た地形 足久保に蒔いたのが静岡茶の始まりとされています。
足久保の地形は足久保川を中心に左右が山に覆われており、日照時間が短く、また昼夜の寒暖差が激しいので、朝霧が立ち込めやすくそれが天然の遮光となり、自然と香り・甘みの強いお茶が育ちます。
足久保茶は秋になると熟成され、香り・旨みがさらに増してきます。江戸時代は足久保茶を大日峠のお茶小屋に秋まで保管し、徳川家康へ上納していたことからも、足久保茶が美味しい理由がわかります。
足久保のお茶をより多くの方に知って、飲んでいただくため、様々な活動をしています。
こちらの茶畑は、2021年3月より第一期茶園オーナーを募集予定の農場です。工場長の加藤貴彦さんにご案内いただきました。
そして、場所を変えて、こちらの茶畑には足久保の景観を楽しむデッキの建設も予定しています。
とても急な斜面の茶畑ですが、実際登ってみると、茶畑から一望できる景色に圧倒されます。デッキ完成時には、5分程度で登れる登山道も整備されるそうです。お茶を片手に、ハイキング気分も楽しめます。
足久保茶を身近に感じていただく、お買いもの処 山茶寛(やまちゃかん)とテイクアウト専門のティーワークスカフェ「teaworkscafe」が製茶工場の隣に併設しています。
静かな山間の中で飲むお茶は格別。足久保茶を使用したスムージーをはじめ、煎茶、和紅茶、季節限定の茶氷などを販売しています。また、茶葉も一緒に販売していますので、ご自宅でも足久保茶を楽しんでいただけます。
今回は特別に、「香駿」を淹れていただきました。
近年注目を浴びる新品種「香駿」の煎茶で、他にはない甘く清涼感のある香り立ちが魅力です。
摘採してから一晩置き萎凋させた葉で仕上げました。和紅茶は、花のような香りがふわりと楽しめ紅茶好きの方にもお勧めです。
足久保茶「香駿」 50g 1,200円
足久保は、東京インターから車で1時間50分と日帰りでも行ける場所です。今から、春になるのが楽しみです。
足久保ティーワークスの情報は、以下のwebとInstagramから発信されます。
– 足久保ティーワークス茶農業協同組合
〒421-2124 静岡県静岡市葵区足久保口組2082-2
tel.054-296-6700 担当.加藤・石川
薮崎園
日本三大玉露産地 朝比奈
薮崎園は、JR焼津駅から約20分、日本三大玉露産地の藤枝市岡部町朝比奈地区にあります。
薮崎園は、お茶農家としての歴史は古く、江戸中期より幾多の変遷はありましたが、現在は十三代目の当主が引き継いでいます。藤枝岡部町は、古くからのお茶の産地で室町時代にすでにお茶が栽培され、貞享元年(1681年)には幕府にお茶の運上(年貢)があったと記録があります。
地域最高峰にある薮崎園の自社管理農園。そこから見える絶景を堪能しました。
今回は、玉露名人の前島東平さんの茶畑と作業場に伺ってきました。
前島さんは、茶生産者の頂点を決める大会である全国茶品評会において最上位の農林水産大臣賞を2度獲得しています。
玉露は摘採の3週間前から茶園全体を藁で編んだ「薦(こも)」で覆い、日光を遮って栽培されるお茶です。そうすることで、お茶の渋みや成分の増加を抑え、旨味を極限まで高めます。
前島さんは、昔ながらの手編みの薦で日光を遮り、柔らかい新芽をじっくり時間をかけて育てます。
薦の材料となる藁を得るために米作りにも取り組んでいます。天然自然の薦を使うことで、暑い日は涼しく寒い日は暖かく常に一定の状態で保たれます。
朝比奈の本物の玉露を味わっていただきたい、という想いから、薮崎園は2018年に静岡県藤枝市岡部町に「朝比奈玉露専門店 como」をオープンしました。
「朝比奈本玉露名人茶飲み比べギフト」 3,500円
朝比奈の玉露名人が丹精込めて作った玉露を、名人ごとに飲み比べしやすい一煎パックにして詰め合わせました。玉露名人ごとに異なる玉露の味の違いをお楽しみいただけます。
薮崎園では最高級な玉露だけでなく、気軽に美味しさを楽しんでいただけるお茶もあります。
「贅沢濃厚抹茶ラテ」8袋入り 1,000円
一番茶摘みの朝比奈産オーガニック抹茶を贅沢に使った濃厚抹茶ラテ。(抹茶含有量17%)抹茶産地のお茶屋さんだからこそ作ることが出来る濃厚な味をお楽しみいただけます。
朝比奈玉露専門店「COMO」 >>
薮崎園では最高級な玉露だけでなく、気軽に美味しさを楽しんでいただけるお茶もあります。
「贅沢濃厚抹茶ラテ」8袋入り 1,000円
一番茶摘みの朝比奈産オーガニック抹茶を贅沢に使った濃厚抹茶ラテ。(抹茶含有量17%)抹茶産地のお茶屋さんだからこそ作ることが出来る濃厚な味をお楽しみいただけます。
朝比奈玉露専門店「COMO」 >>
– 薮崎園
〒421-1113 静岡県藤枝市岡部町桂島1135-1
tel.054-667-3633 担当.多々良
グリーンエイト
両河内から生れた和紅茶
グリーンエイトは、JR清水駅から車で約25分、お茶の栽培が盛んな静岡県の中でも霧が多い「両河内」地区にあります。
両河内のお茶農家8軒が集まって会社を立ち上げたのがグリーンエイトのはじまり。両河内の地形や気候の恵みを受けてできる香り高い緑茶に加え、渋みが少なく飲みやすい繊細な和紅茶を品種や製法、熟成期間などを変えて多種生産しています。
茶畑の真ん中に「TEA TERRACE」があります。自営のカフェからテイクアウトも出来るので、茶畑に囲まれて、のんびりとカフェメニューが楽しめます。
茶畑から徒歩10分ほどのところに、こだわりのお茶やそのお茶を使ったスイーツなどを味わえる茶農家直営カフェ兼直売所「green8cafe」。グリーンエイトのお茶の数々をお取り扱いしています。
人気の和紅茶は、収穫した茶葉をそのまま発酵させて製造しています。いろいろ飲み比べてお楽しみください。
カフェで人気の「和紅茶パフェ」
代表的な和紅茶3種
・和紅茶 スイート ティーバッグ 3g×12個 800円
品種:つゆひかり。華やかな香りと優しい甘みの和紅茶。
・和紅茶 マイルド ティーバッグ 3g×12個 800円
品種:静7132。優雅な香りと深いコクの和紅茶。
・和紅茶 ビター ティーバッグ 3g×12個 800円
品種:やぶきた。渋みのある大人の和紅茶。
代表的な和紅茶3種
・和紅茶 スイート ティーバッグ 3g×12個 800円
品種:つゆひかり。華やかな香りと優しい甘みの和紅茶。
・和紅茶 マイルド ティーバッグ 3g×12個 800円
品種:静7132。優雅な香りと深いコクの和紅茶。
・和紅茶 ビター ティーバッグ 3g×12個 800円
品種:やぶきた。渋みのある大人の和紅茶。
– グリーンエイト
〒424-0403 静岡県静岡市清水区和田島349-4
tel.054-395-2203 担当.北條
釜炒り茶 柴本
牧之原の釜炒り茶
釜炒り茶 柴本は、JR金谷駅から車で25分、広大な茶畑が広がる有数の茶産地「牧之原」にあります。
海に近い温暖な気候を活かした無肥料無農薬をベースにした栽培とし、ヤギに草を食べてもらい、そのたい肥を茶畑に使用する栽培方法「ヤギ農法」を行っています。
こちらの茶園では、茶畑の中のテラス「大地の茶の間」の貸出しサービスを行っています。一面に広がる茶畑の開放感の中、何も気兼ねすることのない自由な時間をお楽しみいただけます。
工場にて、ほうじ茶づくり体験をさせていただきました。
柴本さんは、農林大学校、茶業研究センターでの研修後、釜炒り茶の主産地である九州・宮崎にて2年半ほど修し、会得した高い釜炒り技術と独自の理論が生み出す多種多彩な個性的なお茶を生み出しています。
「釜炒り茶すいーと」 1,200円
ふじのくに山のお茶100選認定茶。
釜炒り製緑茶1年熟成させてからブレンド火入れして仕上げます。香ばしい素朴な甘みと、すっきりとした味わいが特徴。
「釜炒り茶すいーと」 1,200円
ふじのくに山のお茶100選認定茶。
釜炒り製緑茶1年熟成させてからブレンド火入れして仕上げます。香ばしい素朴な甘みと、すっきりとした味わいが特徴。
– 釜炒り茶 柴本
〒421-0414 静岡県牧之原市勝俣2695
tel.080-5295-7196 担当.柴本