駿河竹千筋細工Suruga Bamboo Ware
立夏を迎え、暦の上では夏。新緑も美しく、初夏の風爽やかな季節です。昔から人々は五感で涼を感じ、自然を受け入れてきました。日本人の感性による「竹=涼」を感じてみませんか?
It's the beginning of summer. The fresh green is beautiful and refreshing summer breeze blows. In Japan, people have been feeling the coolness when looking at bamboo from ancient days.
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駿河竹千筋細工 菓子器 淡路手付 一段50,930円(税込)
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駿河竹千筋細工 菓子器 淡路手付 二段93,390円(税込)
駿河竹千筋細工
駿河竹千筋細工は、日本全国にある編む竹細工と違って、細い”丸ひご”をさして組み立てるとても繊細な竹細工で、国の伝統的工芸品にも指定されている静岡の竹細工です。
静岡の竹細工は、現在では職人も少なくあまり知られていませんが、古来より駿河の地には、良質の真竹、淡竹などが豊富で、弥生時代の登呂遺跡の出土品の中にも竹製のザルなどが発見されるなど生活用品として、根付いていたと言われています。
特長のひとつである”丸ひご”を使った精巧な技巧は、天保十一年(1840年)、華道・茶道・歌道に秀でた岡崎藩士の菅沼一我が、清水猪兵衛に技術を伝えたのが始まりとされています。真竹と孟宗竹を主に用い、細く丸く削られた竹ひごをしなやかに曲げ、輪に組み込んでいく技法から、色々な形が生み出されます。
日本の竹はアジアの他の産地の竹と違い、1年で約15m育つのに対して日本の竹は、同じほどに育つのは3年かかります。日本には四季があり、寒暖など条件の違う季節を繰り返すことで、身がしまった滑らかで強度がある竹となります。日本の竹があるからこそ繊細な技巧の竹細工が生まれ、駿河竹千筋細工となりました。
日本の美意識が育んだ工芸品
駿河竹千筋細工は、特徴である丸ひごによる優美なデザインと独特な曲げや継手の技法を用い、花器、虫篭、行灯などさまざまな製品が作られています。その中でも、技術的に最も難しいと言われている、蓋付の四角い菓子器をご紹介します。
曲げる技術の中で最後に習得するのが「四角曲げ」とされています。
四角曲げが難しいとされているのは、四つの角をすべて同じに曲げる技術によるもの。ただ一箇所でも角度、円の大きさが変わってしまうと全体が歪んでしまいます。この菓子器は、ひとつでも難しい四角曲げに、蓋や段があるのですから、尚更です。
蓋に施されているグラフィカルな丸い細工は、縁起のよい「淡路結び*」を施しています。静岡では、昔から編まれてきた細工ですが、丸ひごと平ひご両方を使う特殊な細工で、とても技術も時間もかかるため、今は作り手がほとんどいなくなってしまいました。
竹は、抗菌性や通気性など機能性に勝れているだけでなく、様々な技巧を凝らしたデザインにより、モダンなインテリアにも伝統的なしつらえにも、独特の存在感を演出します。そして、使用する季節やシーンによって、菓子器としてだけでなく、パーティーのお重、インテリアにもなる整理箱として、など自分のスタイルで様々に使えます。
年月と共に青から白、そして飴色に変化していく竹。こうした経年変化さえも美しいと感じるのは日本人独特の美意識から。伝統を受け継ぐ職人の手技が、竹に新しい命を吹き込み、使い手によって次の世代に受け継がれていく。繊細で優美な意匠、自然な竹の風合いとともに、長く愛着を持ってお使いいただける逸品です。
*淡路結び:水引の一種で、ご祝儀や不祝儀の際に用いられる飾りのこと。 一度結んでしまうとほどくのが難しいことから結婚祝いなど一度きりのお祝いの時に使われます。
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竹は、抗菌性や通気性など機能性に勝れているだけでなく、様々な技巧を凝らしたデザインにより、モダンなインテリアにも伝統的なしつらえにも、独特の存在感を演出します。使用する季節やシーンによって、菓子器としてだけでなく、パーティーのお重、インテリアにもなる整理箱として、など自分のスタイルで様々に使えます。
50,930円(税込)
93,390円(税込)