開窯215年の歴史を誇り、人間国宝の加藤卓男氏を筆頭に素晴らしい作家、作品を生み出し続けている美濃焼屈指の名窯『幸兵衛窯(こうべえがま)』の特集を開催いたします。
幸兵衛窯は、江戸時代後期の文化元年(1804年)磁器の盃(さかずき)の生産地として知られる岐阜県多治見市市之倉にて、初代加藤幸兵衛により開窯。
まもなく江戸城本丸 西御丸御用窯となり、染付磁器を納めました。
六代目の人間国宝 故・加藤卓男氏は、古代ペルシア陶器を研究し、18世紀以降途絶えていた幻の陶器・ラスター彩を再現したことで有名です。
近年では、フランスの観光ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で二つ星を獲得して話題となりました。
今回の特集では、幸兵衛窯の数々の技法の中から、伝統的な美濃桃山陶や、ペルシア色絵・青釉・三彩の技法による、普段使いの器、インテリアとしての陶額・オーナメント、そしてアクセサリーに至るまで、幅広くご覧いただけます。
幸兵衛窯の陶磁器の数々は、遊び心に溢れ、豊かな生活を演出するパートナーとして、お愉しみいただけることでしょう。
同時開催イベント幸兵衛窯 八代 加藤亮太郎 「爽秋茶会」
9/6(金)・7(土)
初秋の風が吹く爽秋の候、幸兵衛窯 加藤亮太郎氏を席主に、ご自作のお道具やお茶碗で立礼茶会を催します。当日は、開窯200余年の伝統を受け継ぎ新しきを拓く、亮太郎氏の作品もご覧いただけます。作陶への想いを感じいりながら、初秋の呈茶をお楽しみください。 詳細はこちら >>
幸兵衛窯の歴史
文化初年(1804)初代加藤幸兵衛により、美濃国市之倉郷にて開窯され、間もなく江戸城本丸、西御丸へ染付食器を納める御用窯となりました。流麗精緻な染付の優品を手掛けた二代、中国宣徳染付の研究に没頭した三代、名人気質の四代の後を受けた、五代幸兵衛(1893-1982)は、青磁、金襴手、染付、赤絵、天目など中国陶磁をはじめ、乾山、李朝など幅広い技法を駆使した名品の数々を生み出し、幸兵衛窯の礎を築き上げました。
六代加藤卓男氏(1917-2005)は、長年の研究の末、ペルシア陶器や正倉院三彩の技法を復元し、ラスター彩、青釉、三彩、ペルシア色絵など伝統と独創の融合した作品を制作し、これらの功績により人間国宝に認定されました。
現当主である七代加藤幸兵衛氏は、独自の現代的な作風をはじめ、桃山陶やペルシア陶器といった幅広い作風を展開し活躍しています。そして七代幸兵衛氏の指導のもと、二十余名の熟練職人を擁し、品格ある和食器を製作しています。