九谷焼は、江戸時代1655年(明暦元年)加賀国九谷村で発祥したと言われています。九谷焼の特徴は、豊かな色彩と大胆な絵図柄が有名です。黒色の「呉須(ごす)」で線描きし、次に赤・黄・緑・紫・紺青の「五彩」を塗ります。絵柄は山水、花鳥など絵画的です。また、「青九谷」「赤九谷」など、窯元によって個性豊かな画風を生み出していることも魅力の一つ。明治に入ると「ジャパンクタニ」として海外でも高く評価されました。
石川県小松市には、原料の「花坂陶石」の源泉である鉱脈があります。そのため、数多くの陶芸家が小松市を拠点としており、人間国宝の三代徳田八十吉や、吉田美統も輩出してきました。
自然環境にも恵まれた小松市は、食文化も豊かです。農産物や海の幸、白山の良質な水と米で作られる地酒、茶道文化の根付く地に伝わる和菓子など、多くの特産品が挙げられます。
今回の九谷焼展では、九谷焼を代表する熟練の作家から、九谷焼研修所所属の作家や職人を目指す若手まで、幅広く出品いただきました。また、九谷焼の骨董も取り揃え、これまでの九谷焼から現代九谷焼まで、九谷の系譜「伝統の技と時をつむぐ九谷焼」をお楽しみください。
また、豪華なゲストによる九谷焼のある暮らしを体験できるイベントもご用意しております。芸術、文化や食など様々な秋を九谷焼とともに、存分にお楽しみください。イベント詳細はこちらから >>
作家紹介
九谷焼展の開催につきまして、企画開催を参加いただきました作家の方々のプロフィールをご紹介いたします。
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錦山窯
- 1900年
- 初代・吉田庄作が九谷焼陶芸家田中領山堂に入門し、作陶を学ぶ
- 1906年
- 独立し、錦山と号す。その後金彩技法に工夫をし、錦絵風画法をなす
- 1933年
- 庄作の末弟、清一が二代となる
二代となる清一は初代の作風を伝え、青九谷の技法を加えて、各種美術展・工芸展に入選・入賞する
且つ、戦時の金銀統制令下において九谷のデザインを改良、多数の新しい試作品を製作する - 1951年
- 美統が錦山窯を継ぎ本格的に作陶の道に入る
- 1988年
- 幸央、金沢美術工芸大学を卒業後、本格的に錦山窯に入って作陶をはじめる
- 1992年
- 美統、石川県指定無形重要文化財/九谷焼技術保存会技術保持者に認定される
- 2001年
- 美統、紫綬褒章受章/国指定重要無形文化財保持者に認定される
石川県文化功労賞受章 - 2007年
- 幸央が父に代わり、錦山窯の代表となる
深香陶窯 浅蔵 宏昭
- 1967年
- 群馬県伊勢崎市に生まれる
- 1990年
- 金沢美術工芸大学美術学部彫刻科卒業
- 1992年
- 第31回北陸中日美術展入賞
- 1993年
- 金沢美術工芸大学大学院 絵画・彫刻コース彫刻科卒業
- 1995年
- 浅蔵五十吉門下に入る
- 2003年
- 第36回伝統九谷焼工芸展入賞
- 2015年
- 伝統工芸士(九谷焼・成形部門)認定
現在、深香陶窯にて制作
田村 星都
- 1980年
- 石川県小松市に生まれる
- 2004年
- 筑波大学国際総合学類卒業
毛筆細字三代田村敬星に師事する - 2007年
- 石川県立九谷焼技術研修所実習科修了
- 2010年
- 石川県小松市に工房を構える
- 2011年
- 「田村星都 作陶展」西武渋谷店
- 2012年
- 「田村星都 作陶展」ながの東急百貨店
「100 stories – 盃に浮かべる100の物語」西武渋谷店
「田村星都 作陶展」西武池袋本店 - 2013年
- 「田村星都 作陶展」画廊文錦堂
- 2014年
- 「田村星都 作陶展」日本橋三越本店
「田村星都 作陶展」東武宇都宮百貨店 - 2015年
- 「田村敬星・星都展」水戸京成百貨店
「九谷毛筆細字 田村星都 作陶展」現代陶芸サロン桃青 他
西 由香
- 1981年
- 石川県小松市に生まれる
- 2003-14年
- 保育士として働く
- 2014年
- 九谷焼技術研修所本科入学
- 2016年
- 第39回伝統九谷焼工芸展
能美ロータリークラブ新人賞受賞
卒業制作パーマネントコレクション選定
九谷焼技術研修所研究科入学 - 2017年
- 卒業制作パーマネントコレクション選定
4月から自主制作
第三回やましろ 『器』コンペ
『金沢百万石ビール』が美味しく飲める器コンペ入選
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九谷光崖窯 高 聡文
伝統工芸制作集団「九谷塾」塾長として国内外に作品を発表する。司馬遼太郎記念館 記念品「菜の花鉢」製作
- 1986年
- 大阪芸大を経て九谷技術研究所
- 1987年
- 日本新工芸展 初出品初入選
日展 初出品初入選 - 1995年
- 現代美術展 北国賞受賞
- 2003年
- 日本新工芸展 審査員
- 2005年
- 第67回一水会陶芸部初出品
硲記念賞受賞 - 2007~08年
- 一水会陶芸部展佳作賞受賞
- 2010年
- 日本伝統工芸展入選
宮本 雅夫
- 1971年
- 石川県小松市に生まれる
- 1996年
- 東京藝術大学美術学部卒業
第四十三回日本伝統工芸展初入選 - 1999年
- 日本工芸会正会員認定
- 2002年
- 第八回兼六園大茶会公募展 優秀賞
- 2004年
- 「現代の匠」展(静岡県磐田市香りの博物館)
- 2005年
- 第二十八回伝統九谷焼工芸展 優秀賞 石川県立美術館買い上げ
文化庁派遣新進芸術家在外研修員として渡伊(ローマ) - 2006年
- 第二十九回伝統九谷焼工芸展 優秀賞
- 2008年
- 第四十九回石川の伝統工芸展 奨励賞
第十四回兼六園大茶会公募展 優秀賞 - 2010年
- 小松空港到着ロビー陶壁「五箇山」制作
第七十二回一水会陶芸部公募展 優秀賞
第三十三回伝統九谷焼工芸展 北國新聞社賞 - 2014年
- 第五十五回石川の伝統工芸展 金沢市長賞
第三十七回伝統九谷焼工芸展 大賞 - 2016年
- 第五十七回石川の伝統工芸展 奨励賞
第二十二回兼六園大茶会公募展 最高賞
全国伝統的工芸品公募展 経済産業省製造産業局長賞 - 2017年
- 「伝統と創造 現代九谷焼の旗手たち」展 富山市佐藤記念美術館
全国伝統的工芸品公募展 全国商工会連合会会長賞 - 2018年
- 第11回現代茶陶展 TOKI織部奨励賞
第41回伝統九谷焼工芸展 優秀賞
第32回四日市萬古陶磁器コンペ2018 グランプリ
第47回北海道陶芸展 最優秀新人賞
第24回兼六園大茶会公募展 石川県知事賞 - 現在
- (公社)日本工芸会正会員
河端 理恵子
- 1982年
- 石川県小松市生まれ
- 2013年
- 石川県立九谷焼技術研修所 研究科卒業
- 2013年
- 平成24年度卒業制作 パーマネントコレクション推定
- 2013年
- 福島武山氏に師事
- 2013年
- IKEYAN☆オーディション グランプリ
- 2014年
- 第37回伝統九谷焼工芸展 奨励賞受賞
- 2014年
- 個展「奇想曲」gallery Rempah-Rempah(石川)
- 2014年
- 個展「Ikeyan exhibition relay vol.23」国際デザインセンターLoop(愛知)
- 2015年
- 個展「日本を寿く、赤絵細密画」伊勢丹新宿店5階ウエストパーク
- 2016年
- 個展「河端理恵子 陶展」三越日本橋本店 本館6階アートスクエア
- 2018年
- 第42回石川県伝統産業技術奨励者 受章
- 2018年
- アートフェア「VOLTA 14」(スイス バーゼル)Gallery小暮より出品
木戸 優紀子
- 2001年
- 創作家 能川富美子氏に師事 主にデッサンを学ぶ
- 2005年
- 金城大学短期大学部 美術学科 日本画専攻 卒業
「妙泉陶房」山本長左氏に師事 主に染付を学ぶ - 2008年
- 独立 自宅にて制作に励む