船箪笥 金具製作実演 – 匠工芸(福井)Boat chest metal fittings production demonstration - Takumi Kogei (Fukui)
4/18(金)・19(土)・20(日)
日本最大の北前船の港町だった福井県三国町で、日本で唯一の本物の材料と製法で製作する匠工芸より、先人達の職人技と知恵を継承し、強さと美しさを兼ね備えた「船箪笥」をお届けします。
A metal fittings production demonstration by Takumi Kogei, a company that produces "funatansu" (ship chests) using authentic materials and manufacturing methods unique to Japan, inheriting the craftsmanship and wisdom of its predecessors, in Mikuni Town, Fukui Prefecture, which was Japan's largest port town for Kitamae ships.
船乗りが命と同じくらい大切にした“相棒”
「船箪笥」とは、江戸中期から明治末期にかけて日本海を往来した「北前船」に積まれ、必需品と呼ばれるほど、多くの船乗り達が買い求めた、精巧で緻密な箪笥のことです。海難事故が多発した当時にあって、『船は沈むが箪笥は浮く』と称されたほどの気密性、堅牢性を誇り、美しい装飾は富と権力の象徴とされていました。
北前船用の特殊な家具を総称し「船箪笥」と呼んだのも、そこに「用の美」を見出したのも、民芸運動の先駆者・柳宗悦氏でした。「世界中のどんな家具を引き合いに出されようと断じて恐れることはない。日本には船箪笥がある」と、その剛健さを絶賛しました。

先代の勝木さんが船箪笥と出会ったのは昭和47(1972)年のこと。その精巧なからくりと頑強なつくり、そして独特の美しさに魅せられました。以来、製造技法の研究、試行錯誤を重ね、船箪笥の復元製作工程を確立していきました。素材から意匠、細部に至るまで当時の姿で復元しています。
船箪笥は、木地、金具、漆塗の3つの分業で作られており、今回ご覧いただくのは、金具製作です。装飾金具にはさまざまな意匠が隠れており、錠前は悪さされてないよう獅子が睨みを利かせ顔になっていたり、神社仏閣の紋様がゲン担ぎの意味があったそうです。
百余年の時空を超え、北前船が残した先人達の職人技と知恵。それらを継承し、強さと美しさを兼ね備えた、『機能美』と呼ぶにふさわしい船箪笥の魅力を 実演会を通してご覧ください。
実演会概要

日時 4/18(金)・19(土)・20(日)
各日 11:00~20:00
実演 村田 浩史(匠工芸二代目)
匠工芸
福井県福井市で、船箪笥/三国箪笥の復元を日本で唯一行う工房。世界に類を見ない日本独自の形態を持ち、職人たちの知恵と技を結集した船箪笥を、材料・工法の全てに亘って当時のまま復元しています。