平戸松山窯 三川内焼(長崎)Hirado Shouzan kiln -Mikawachi ware from Nagasaki-
3/1(土) - 4/30(水)
江戸初期に設置された平戸藩の御用窯の流れを汲む、三川内焼窯元。先人陶工たちにより今に受け継がれた技術を守り、染付・白磁にこだわり、常に新しい三川内焼を牽引しています。
Mikawachi Pottery is a kiln established by the Hirado clan in the early Edo period. The kiln has maintained the techniques passed down to the present day by the potters who has been practicing by focusing blue and white porcelain.They become a leading potters for the future of Mikawachi.
平戸松山窯
三川内焼は、十六世紀末 当時の平戸藩主松浦鎮信公が、「朝鮮の役」の時 平戸に連れ帰った陶工達に焼き物を作らせたのが始まりとされます。そのため三川内焼は別名平戸焼といわれます。その後、良質の陶土を求めて陶工達がたどり着いたのが、長崎県佐世保市の三川内です。
三川内天満宮に祀(まつ)られる「高麗媼(こうらいばば)」を祖先とし、その流れを脈々と今に引き継いでいます。江戸時代以来、みかわち焼を代表する唐子の器をつくり続けてきた窯元です。

松山窯の得意とする絵柄は、ふっくらとした愛らしい唐子絵、伝統的な「献上唐子」を描いてきた一方で、現代に受け入れられる「創作唐子」や、陰刻と染付の意匠豊かな作品なども生まれています。また、細工も得意とし、獅子や象、唐子など古典のモチーフを新たな視点で生き生きと蘇らせています。

平戸松山窯の作品の主流は『染付』です。
染付とは、焼物の焼成前の生地に焼き上げると藍色に発色する「呉須」を用いて絵を描く技法です。青一色で、人間の表情や草木の瑞々しさを表現しなければならないため、細やかで熟練した描写技術が必要とされます。

便利なガス窯や電気窯の普及した現代に、細い筆を駆使した絵付けの染付そめつけ磁器や、動物・植物をかたどった繊細な磁器を、あえて薪の窯で焼くのはほとんど見られなくなりました。しかしこの三川内の土地では、有志のつくり手たちが集まり1年に1~2回のペースで登り窯の焼成を20年以上続けています。平戸松山窯でも、継承してきた技を守りながら、常に新しい挑戦をしています。
