伝統工芸の手技が生み出す 縁起物「龍」Auspicious "Dragon" created by traditional craftsmanship
2024年は辰年。日本各地の伝統工芸の産地から、力強い龍の彫り物からユニークな置物まで、さまざまな龍が勢揃い。お正月の準備や年末年始の贈り物に、縁起物の龍をお届けします。
The year 2024 is the Year of the Dragon. From powerful dragon carvings to unique ornaments, a variety of dragons are available from traditional crafts around Japan. We offer dragons for good luck in preparation for the coming year and as gifts for the year-end and New Year holidays.
師走を迎えると、そろそろお正月を迎える準備がはじまります。2024年は辰年。
辰年や干支にちなんだ置物や工芸品など、匠の技がひかる龍の日本の逸品を、愉しみましょう。
三川内焼(長崎)伝統技法のひとつ「置き上げ」光雲窯 大盃
古くから日本でも、水や海の神として祀られ、「龍が現れると何かおめでたいことが起きる」と考えられていました。冬は水中にひそみ、夏は天に上っていくとされ、竜巻や雷、虹などの自然現象を起こすとして大自然の躍動や鳴動を象徴するものでした。
また、有名な故事「登竜門(とうりゅうもん)」では、鯉が滝を上ると龍になるという伝承があり、立身出世の縁起物として現代でも親しまれています。
高岡銅器(富山)手のひらサイズの勇ましい龍の香立て、神秘的な香りの龍涎香
辰は「振るう」という文字に由来しており、自然万物が振動し、草木が成長して活力が旺盛になる状態を表します。辰は竜(龍)のことでもあり、十二支の中で唯一の空想上の生きものです。東洋で権力・隆盛の象徴として親しまれていた龍は、身近な存在であったことから干支に選ばれたと言われています。
江戸からかみ(東京)和紙に伝統技法の手摺りを施したマット
2024年は十干では甲、十二支では辰にあたり、甲辰(きのえたつ)の年となります。甲とは「甲乙丙丁~癸」の始まりで、龍の象徴する「力強さ」や「成功」を象徴しているので、この二つが合わさる甲辰は、新たな始まりやいままでの準備が形になる年とされ、縁起のよい年になると言われています。
山中漆器(石川)薄轢きの漆の酒盃に、酒を飲み干す蒔絵で描いた龍
その他にも日本各地より、力強い荘厳なものからユニークなものまで、さまざまな龍が勢揃い。年末年始の贈り物やご自宅用の干支飾りなど、縁起物をご用意しませんか。
欄間彫刻(香川)精巧な技術に圧倒される龍の置物