木とともに- 匠頭漆工 山中漆器(石川)Live in the woods - Shozu Shikko Yamanaka shikki (Ishikawa)
7/1(土) - 7/31(月)
石川県加賀市山中にある木地師「匠頭漆工」は、日本という豊かな自然の中に生き、対峙する木という自然素材の雄大さや美しさを伝えたいという想いから、「木」の器を紡いでいます。
Shozu Shikko, wood craftsmen in Yamanaka, Kaga City, Ishikawa Prefecture, produce "wooden" vessels, with the desire to convey the grandeur and beauty of wood, a natural material that lives in and confronts the rich nature of Japan.
山中漆器と木地師
山中漆器は、石川県内の「塗の輪島」「蒔絵の金沢」に並び「木地の山中」と称し、その品質の高さから多くの方に愛されています。
山中漆器は、山師から始まり、荒挽き屋、木地屋、塗師屋の手を経て一つの器が出来上がります。 漆を塗る前、木を削り出し器を形作ることが「木地師」の仕事です。
山中漆器の特徴は、何と言っても“木”という素材そのものを活かす哲学、そしてそれを実現する高い技術力にあります。縦木取りと呼ばれる材料の切り出しは全国でもこの山中独自。特筆すべきは、轆轤挽き。手で挽く伝統技法と、職人自ら研ぎ出す刃物を使用し鉄鋼旋盤という現代の技術を融合することで、量産することが可能になりました。私たち木地師が手掛ける「木地」は山中のみならず全国の漆器産業を支えています。
木地師としての想い
「匠頭漆工(しょうずしっこう)は、創業以来70年以上、 毎日毎日“木”と向き合い、挽き続けてきた石川県加賀市山中にある木地屋です。
木は人と同じように、一つとして同じものはありません。
日本は国土の2/3 にも及ぶ広大な土地が森林に覆われています。私たちは、 森林に守られ、共存してきました。
森林に守られ、共存してきた日本だからこそ、今改めてその“木”という存在に向き合いたい。毎日”木”に触れる木地師が紡ぎだす木の魅力を、五感をフルに活用し愉しんで欲しい。 そんな思いで日々木に向き合い、器を紡ぎます。
一本の木から挽かれた【IPPONGI】いっぽんぎ
光を内側からも感じることが出来る薄さのボウル、一本の木から紡がれる曲線美。木の静動脈の水分調整、そして挽きあげる技術。自然素材を知り尽くした匠頭漆工だからこそ実現した、技術と探求の結晶です。木目や色合いの美しさ、触れた時の温もり、ほのかに香る自然。五感をフルに使ってどうぞ楽しんでください。
あなたのための、あなただけの【芽吹き – mebuki】
木は枝があり節があり、この芽が伸びる節=芽節は、これまで「硬くて刃が傷みやすく挽きづらい」「節から割れが入っていることがある」「全体数からしたら少ないので扱いづらい」などから廃棄処分となっていました。芽節の価値を再定義し、芽節の縁取りに蒔絵師の手によって金が施され、各々の芽節は世界で一つしか存在しない、木の個性を活かした器を生み出しています。
「木」本来の雄大さ、至美を引き出す【匠久 – shokyu】
受け継がれる屋号「匠久」。先代 久保出雅雄が立ち上げた匠頭漆工独自のブランドです。「匠」が「久」しく続きますように、そして私たちが対峙する木という自然素材の雄大さや美しさを伝えたい、そんな想いが形になった器たちです。
匠頭漆工
Shozu Shikko
昭和21年(1946年)、初代であり先代である匠久・久保出政雄が久保出木芸を立ち上げ、その後匠頭漆工に改名。現代表兼職人頭である伝統工芸師二代目久保出章二が先代の基礎を元に、現在の体制を作り上げました。平成25年(2013年)には三代目久保出貴雄も加わりました。
培ってきた技術、知識、経験をフルに活用し、「木」を一人でも多くの方々に手に取って頂き、毎日の生活に寄り添えるような“身近”で“毎日の”器づくりを目指しています。この実現に向けて、木素材そのものの質、単価やデザイン、使い方など多角的に新しい取り組みを進めています。