雛人形に想いをのせて 江戸木目込人形Edo Kimekomi dolls - Carrying feelings in Hina dolls
1/2(月) -3/5(日)
新作の雛人形(江戸木目込人形)の完成を記念して、人形を製作した「松崎人形」とプロデュースの「ここかしこ」のコラボイベント。それぞれが普段制作している品々も勢揃いします。
To celebrate the completion of the new Hina dolls (Edo Kimekomi dolls), we will feature "Matsuzaki Ningyo" the creator, and "Kokokashiko" the producer of this doll collaboration.
江戸木目込人形Edo Kimekomi doll
親が子の成長や健康を祈り、人形を贈る風習は、古くから受け継がれてきた日本固有の文化です。
主に玩具として扱われる海外の人形に対し、日本では人形に魂が宿ると信じられ、子どもを厄災から守る厄除けなどとして扱われてきました。そのため、職人は人形に想いを込め、子が成長したときに親の深い愛を実感できるよう、より優美で手の込んだもの、永く愛着が持てるものとして、発展してきました。
江戸時代中期に、京都上賀茂神社で祭事に使う、柳筥(やなぎばこ)の材料である柳の木の残片で、神官が、木彫の小さな人形を作り溝を付けて、そこに神官の衣装の残りの布を挟んで着せ付けたのが始まりだと言われています。
当初は賀茂で作られたため「賀茂人形」と呼ばれていましたが、衣装の生地を木の切れ目にはさみ込んで作るところから「木目込人形」と呼ばれるようになり江戸に伝わりました。
「木目込み」という名は、衣裳のひだや布切れの境となる部分に細い溝を彫り込み、そこに布を「きめこむ」ことから生まれています。「きめこむ」とはもともと「極めこむ」と書き、「中に入るものが、入れ物に隙間なく、うまく合うように入れる」という意味があります。
松崎人形(東京)のご当代、松崎幸一光さんは日本工芸会正会員、数々の受賞歴をお持ちの現代の名工です。日本で唯一、「江戸木目込人形」と「江戸節句人形」(衣裳着) の両方の伝統工芸士としても知られています。
その作風は、品よくふくよかなお顔と、古風で抑えの利いた愛らしい色合わせが特徴。「飽きが来ず、長く飾っていただけるように」という代々のスタイルを貫いています。
雛人形ひなにんぎょう
新作の雛人形は、東京手描友禅作家:五月女綾さんによるもの。男雛には瑞雲を女雛には桃を、着物の図柄に、たっぷりの愛情と心からの幸せを願う思いを込めた、手描友禅の描き下ろしによる、とても特別なお雛様です。
最近では、大人の女性が自分用に雛人形を購入したり、大切な方の長寿や無病息災を祈ってプレゼントしたり、と世代を問わず多くの方が楽しんでいます。
また、衣裳が8~12世紀頃の高貴な宮廷装束を再現されていることもあり、着物のミニアチュールとして海外の人形コレクターも魅了しています。
雛人形のほかに、ユーモラスな代官シリーズ、モダンスタイルなアニマルシリーズなども揃います。江戸木目込人形の世界を様々なスタイルでお楽しみいただけます。
ここかしこ
人々が国や世代を越えて通じ合える「いのり」や「ねがい」があります。
ここかしこは、「祈り」のカタチを考えるブランドです。ここかしこのアイテムは、企画・デザイン・コーディネートを、有井ゆまさんと有井ユカさんの姉妹ユニットが手掛けています。ニッポンを生きる私たちのさまざまな「祈り」のスタイルを、日本各地のモノづくり産地の技により、いまの暮らしをあたたかく愛あるものにする「祈り」のカタチを提供しています。
今回は多くの「祈り」のカタチから、お正月にふさわしい手彫りのお飾りや、井波彫刻や高岡銅器など、それぞれの産地と一緒に製作したさまざまなスタイルの「祈り」のカタチが届きました。
暮らしに寄り添う貴方の「祈り」スタイルを見つけてみませんか。