伝統的な古伊万里の染錦の意匠から現代に
10/1(土)~ 10/31(月)
伝統的な古伊万里の意匠を踏まえた、繊細かつ柔らかで愛らしいタッチの絵付けが魅力の有田焼の作家、たなかふみえさん。今回は煎茶碗の特集です。
Fumie Tanaka is an Arita pottery artist whose delicate, soft and lovely touch of painting based on traditional Ko-Imari design is very attractive.
有田焼にはさまざまな伝統様式や技法があります。その中で青に発色する呉須で下絵付けを施す「染付」と「赤絵(上絵)」とを組み合わせた絵付を「染錦」と呼び、江戸時代より艶やかな器としてもてはやされてきました。
「元々、伝統文様には興味があり、和服の文様や江戸時代に使われていた生活道具を見るのが好きでした。古い図録や図案集などを参照して、気に入った文様があればまずこれらを写し、そこに赤絵や銀彩などを加えます。写しから始めながらも、筆のタッチに自分の癖があるため、描いているうちに絵がだんだんと変化していきます。結果的に、それが作風になっているんだと思います。」
たなかふみえさんは、東京で生まれ育ち、かつては会社勤めをしていました。佐賀県有田町は、たなかさんの母親の故郷でした。平成11(1999)年に有田町に移住し、佐賀県立有田窯業大学校に入学、絵付けを学びます。
卒業後は窯元に就職し7年半勤めました。平成27(2015)年に有田町にある民家を活用し、作家として独立します。古典に基づいた絵柄を染付だけでなく、赤絵や銀彩を加えて、柔らかなタッチで描く作風が多くのファンを魅了しています。
たなかふみえ
陶芸家
略歴
東京都出身
文化女子大学短期大学部服装学科卒業
大学研究室非常勤副手、商社勤務
平成11年 佐賀県有田町に移住
平成19年 佐賀県立有田窯業大学校短期研修絵付技法科修了
有田町内の窯元に就く
平成26年 戸栗美術館にて個展開催
平成27年 独立