江戸の美学を映す、リュクスな大人の浴衣[koito]Yukata monotone style-
両面に異なる柄を染める長板中形の浴衣は、人目に触れないお洒落に凝る江戸っ子の美意識そのもの。ちょっと贅沢な麻素材なら、お出かけの幅も広がり単衣の季節から楽しめます。
A medium-sized yukata with a long plate that dyes different patterns on both sides. With a luxurious linen yukata, you can go out more widely and enjoy it from the season of single clothes.
裏勝りな美意識を魅せる両面染め
藍のみで柄を立たせ、歩いた時に裏の柄がふわりと見え隠れする両面染めの「長板中形」とは、型紙を使って藍で染める染色技法で、主に木綿を染めることから浴衣の代名詞にもなっています。型紙で糊を置く際に約6.5mの長さがあるモミの一枚板「長板」を使い、大柄でもなく小紋柄でもない中間の柄を染めることから、「長板中形」と呼ばれるようになりました。裏勝りにお洒落を見出した、江戸っ子の美学の賜物といえる一枚です。
今回ご紹介する反物は木綿ではなく麻地。片面にダイナミックな流線に舞い飛ぶ鶴や菊を散らした躍動感あふれる図案を染め、もう片面には表情豊かな縞・格子をランダムに切り嵌めたような幾何学調の図案がデザインされています。前者を表に仕立てたら、シックなトーンと古典的な女性らしさが溶け合う表情に。後者をメインに誂えるならば、メンズライクな辛口の装いを楽しめます。紙布の名古屋帯やパナマ帽を合わせ、今夏は“江戸前美人”を目指してはいかがでしょう。
文/k.regalo 樺澤貴子
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