いつものうるし いつものうつわ 川連塗Kawatsura lacquer
何時の時代でも手に入る普遍的な素材で手づくりされている漆器。軽くて割れにくく、修理を重ねて永く使えることも魅力。良い物を大事に使う。現代にこそ求められるうつわです。
Lacquerware is handmade with universal materials that can be obtained in any age. Use good things with care. This is exactly what is required in the modern age.
800年以上の歴史を誇る 川連塗

川連漆器の歴史は古く、今から八百年ほど前、家臣や農民の内職として刀の鞘や鎧など、武具の漆塗りを内職としたことがその起こりと言われています。天下太平の江戸時代の後期には、藩の許可により他国に販路を開き、椀・膳・重箱など、日用雑器としての漆器づくりに移行しました。贅を尽くした沈金や蒔絵などの加飾技法により、近代では漆器の産地として地域経済を支えてきました。

数ある産地のなかでも、川連漆器は丁寧で実直なものづくりを守りながら価格は求めやすいため、毎日の器として積極的に使うことのできる身近な工芸品です。使い続けるごとに色ツヤが増していく魅力も、最終仕上げの塗りが厚い川連漆器ならではの特徴。天然木と天然の漆による安心素材で見た目にも美しく、堅牢さと抗菌作用を持ち合わせた本物の漆器です。

何時の時代でも手に入る普遍的な素材で手づくりされているからこそ、修理を重ねて永く使えることも漆器の魅力です。良い物を大事に使う。現代にこそ求められる日用品のあり方だと考えます。
「寿次郎」の椀

川連塗の美しさを代表する技法は「花塗り」。
上塗り後、磨かずに仕上げ、漆本来のなめらかでしっとりとした肌に仕上げます。使い込むことで磨かれ、艶が増していきますので、日々のお食事の場面でお使いいただければ、年月がたつと共に漆の美しさが際立ってきます。

漆塗りの器は、熱いものを注いでも手には熱さが伝わりにくく、冷めにくいのが特徴。陶磁器やガラスのものに比べとても軽く、口当たりが優しいことも魅力です。お手入れはごくふつうに優しく扱っていただければ結構です。長く使ううちに、割れ、欠け、剥げなどが生じた場合でも、新品と同じ状態にお直しすることが可能なのも漆ならでは。

「寿次郎」は明治初期に創業したのち、代々変わらず不易流行の漆の器をつくり続け、原材料のすべてに天然素材を用い、現在もすべての工程を手作業で行っています。
その中でも、お椀に猪口、四つ組椀、椿皿や取り皿など、寿次郎の温かみある、毎日のうるしのうつわを取り揃えました。いつものうるし、まだ漆器に慣れていない方も、この機会に日々の食卓にうるしのある暮らしを取り入れてみませんか。
