小糸?藤紫の透明感を纏う[koito]Wear the elegance of lavender colour
桜を見送ると、淡い紫色の花房を優美に揺らす藤の開花が心待ちに。気品漂う藤紫の江戸小紋を、「小糸」の帯留めやクラッチバッグで洒脱なカジュアルエレガンスへと昇華します。
Fashionable accessories of "Koito" create a stylish lavender-colored "Edo-komon" .
“あわい”の季節にノーブルな江戸小紋を
藤色は、平安時代の栄耀栄華を手にしてきた藤原氏ゆかりの花の色であることから、紫の中でも特に大切な色とされてきたそうです。その美しい透明感に心を奪われる藤紫の江戸小紋は、伝統工芸士 小林義一さんの昔ながらの手付手染によるもの。
愛らしい小花のようにも見える文様は、胡麻の断面を模した佐賀「鍋島藩」の裃の「胡麻柄」です。裃に用いられる柄は江戸小紋の中でも格が高いため、フォーマルな場面にも活躍。ご紹介のようにドット柄の洒落た袋帯を合わせると、会食やギャラリー巡りまで幅広いカジュアルエレガンスなシーンにも装えます。
「matsurika」の帯留めや「JOJO reticule」のクラッチパースをコーディネートすることで、江戸小紋の幾何学的な文様と響き合うスパイシーな表情に。風薫る季節を目前に、春から初夏へと移り変わる“あわい”の季節に纏いたい美人コーディネートをご覧ください。
着物:江戸小紋 胡麻紋様 418,000円(税込)
帯:かはひらこ 袋帯 よろけ太古水玉 327,800円(税込)
バッグ:JOJO RETICULE PURSE 29,700円(税込)
帯留:れん 帯留 13,200円(税込)
「JOJO reticule」のクラッチパースは、外側のテキスタイルと内側のグログラン地の色のコントラストも魅力。かつて日本で作られていたという、金具がバッグ本体から隠れるデザインを再現するために、「天溝(てんみぞ)」というパーツを復刻して職人さんにオーダー。こうした細やかな部分へのこだわりにこそ、きもの姿をエレガントに演出する秘密があるようです。
JOJO RETICULE PURSE 29,700円(税込)
文/k.regalo 樺澤貴子
『小糸』
監修者プロフィール k.regalo 樺澤貴子(カッパ・レガーロ/かばさわ たかこ)
執筆と編集、ギフトプロデューサー
きもの専門誌の編集者歴約20年。『柴田理恵のきもの好日』(柴田理恵著、平凡社)、『母のタンス、娘のセンス』(一色采子著、世界文化社)、『大人のおでかけゆかたコーディネート帖』(秋月洋子著、小学館)など、受け継がれたきものを今様に着こなす書籍やスタイル提案本を手掛ける。2019年には日本橋髙島屋本店で恒例の呉服イベント「東西名匠老舗の会」のトークイベントのパネラーとして出演。日本の伝統工芸の発掘や季節の機微を味わう、モダン室礼のワークショップも主宰。