薄紅色の気配漂う、結城紬のストールYuki Tsumugi ?premium stall
ふうわりとした柔らかさに魅了される結城紬の上質さはそのままに、サスティナブルな手つむぎ糸による極上のストールが誕生。糸の優しさに満ちた風合いを店頭でお手にとってください。
Yuki Tsumugi is attractive for its soft texture and luster. Introducing a new stole that uses sustainable threads.
はんなり優しい、結城紬のストール
繭をお湯の中で柔らかくした袋真綿から糸を引く結城紬の糸は、空気をたくさん含むため驚くほど軽く、温かく、織物にした際には静謐な光沢が生まれます。そんな気の遠くなるような根気を要する手仕事ゆえに担い手不足も深刻で、古来の地機で織られる結城紬に至っては稀少性が年々増しているほど。そんな中、手つむぎ糸の味わいを受け継ぎながらも、現代の感性に響く製品によって産地の伝統を守るプロジェクトが生まれました。
結城紬の産地は栃木県と茨城県の両県にまたがり、それぞれの地域で時代のニーズに寄り添いながら発展。ご紹介のストールは、近代化を程よく受け入れた高機を用いた産地として知られる、栃木県小山市で制作されました。本来、結城紬は撚りのない平らな糸を生命とするため、節は限りなく取り除かれてしまいます。一方、その節を捨てることなく、あえて残すことで糸の自然の持ち味を活かしたのが今回のストールの一番の魅力です。作り手の負担も軽減され、余すところなく糸を使いきる、まさにサスティナブルなストールと言えます。
甘さを秘めた、オリジナルの彩り
左は経糸・緯糸ともに薄紅梅で織ったものです。右上は経糸に薄紅梅・緯糸に縹色を、右下は経糸に薄紅梅・緯糸に鴇唐茶を用いました。
また、このストールは彩りにおいても、きもの姿をはんなりと際立たせるように構築。ほのかな甘さが漂うその秘密は、計10色のすべての経糸に、薄紅梅を用いたことにあります。目に映る第一印象は、緯糸の色を受けますが光の加減やふとした動きで経糸に秘めた薄紅梅が優しく薫りたつよう。経糸がそのままストールの房になるためベースカラーと房との配色も見所です。
手前から紅梅、薄紅梅、灰桜、薄鶸色、瓶覗、鴇唐茶、紅藤、青藤、縹色、千草色。
こだわりのカラーバリエーションではありますが、こちらはすべてが一点もの。皆様のご意見を伺いながら、人気のカラーを絞り込んで継続する予定です。今回限りの貴重な色となるものもありますので、お早めに店頭へお運びください。お好みの色を、スタッフにお伝えいただくだけでも今後の参考になりますので、ご意見をお聞かせいただけましたら幸いです。
最後に、価格のお話を。一般的なストールと比較すると贅沢に感じられるかもしれませんが、節のある少し太めの手つむぎの糸を用いているため、経糸の本数を抑えることにつながり、実はぐっとコストダウンされています。上質な結城紬と同じように、年月を重ねるほど一層柔らかく奥ゆかしい艶が宿る究極のストールを、まずはその目で確かめ肌触りを感じてください。
文/k.regalo 樺澤貴子