きもの暦Kimono koyomi
日本各地の産地より 風土が育んだきものを、そして、日本の伝統を踏まえた 今様のきものを、毎週、季節にあわせ、伝統を踏まえた今様なきもののコーディネートをお届けします。
Every week, we bring you coordinated kimono from various regions of Japan, nurtured by the local climate and based on Japanese tradition.
江戸小紋を着る 秋の一日
秋が深まり、クラシカルな印象の黒の江戸小紋、行儀の柄を選びました。
昔ながらの手彫りの伊勢型紙を用いて1反の長さに繰り返し型付けをした上で、引き染めやしごきによって地染めした伝統工芸士 小林義一さんによるもの。
行儀は仙台藩の伊達家の定め柄
名前の由来はお辞儀をするとき身体を斜めに傾けるところから[礼をつくす]という意味が込められたと言われています。帯も三角文様のものを合わせて、柄遊びしたコーディネートです。
帯を替えるだけで、礼を尽くした装いにも様々にお召いただける江戸小紋。時を越えて尚も親しまれる江戸小紋の魅力をお愉しみください。
着物:江戸小紋 行儀 / 小林染芸
帯上:西陣織 本袋帯 七宝菱菊三角紋様
帯下:西陣織 袋帯 格子柄
水泉動 – しみずあたたかをふくむ –
寒の入り(小寒)を迎え、更に寒さが厳しくなるころ。小寒から節分までの三十日間は、寒の内となります。
まだまだ空気は冷たく、寒い時期ですが、地中で凍った泉の水が溶け、動き始め、春に向け少しずつ動き出しています。
春のやわらかな朝焼けを思わせる、珊瑚色、紅梅色、甚三紅などの横段の暈しのきものを。
帯には、新年の、少し畏まったお茶会やお食事会などにもお召しいただけるよう、古典柄の袋帯を合わせました。
◯蜀江文様(しょっこうもん)
蜀江という呼び名は、中国の三国時代に魏、呉と共に三国時代を形成した国、「蜀(しょく)」にあった「蜀江」という河の名前に由来しています。蜀江は、蜀の首都を流れる河で、古くから良質な絹織物の産地として知られていました。蜀江錦に多く織り表されていた八角形と四角形を繋いだ文様が、「蜀江文様」とよばれるようになり、この蜀江文様を模してさまざまな意匠が考案されました。
着物:長浜ちりめん 横段ぼかし / かはひらこ
帯上:西陣織 本袋帯 蜀江文
帯下:西陣織 三重袋帯 月