秋の香 – 季節のモノがたりJapan style - Scents of autumn
秋分を境目に次第に日が短くなり、秋が深まっていきます。日が傾いたかと思うと、あっという間に空が夕焼け色に染まり... 季節をあらわす美しい日本語が奏でる「季節のモノがたり」をお届けします。
After the autumnal equinox, the days gradually become shorter, and the autumn season deepens. Here is a collection of "seasonal stories" in beautiful Japanese that express the seasons.
今年の秋は、夏から駆け足でやってきました。
秋分を境目に、次第に日が短くなり、秋が深まっていきます。日が傾いたかと思うと、あっという間に空が夕焼け色に染まり、日が沈んでしまいます。秋の夜長を愉しむ季節となりました。
日本には、季節をあらわす美しい言葉が多くあります。
三文字の秋の季語とともに、深まりゆく秋を感じながら、ゆったりとした時間を愉しむ品々をご紹介致します。
高岡鉄瓶 Takaoka iron pot
秋分は、昼夜の長さが同じになり、ここから徐々に夜が長くなり、秋が深まります。秋分の日を中心とした一週間が秋彼岸です。
富山県高岡にて、400年前より伝わる蝋型鋳造法を用い、彫金や着色を施され、精緻で流麗な美しい鉄瓶です。
高岡銅器 鉄瓶 瓢箪爛漫
常滑急須 Tokoname teapot
秋の草花が咲く野原を、花々を揺らして吹き渡る風。日本人は風にも微妙な違いを感じ取り、様々な名前を付けています。
愛知県常滑、日本六古窯の一つ、知多半島で採れる鉄分を多く含んだ陶土を使用、急須は鉄分がお茶の苦みや渋みをまろやかにすると言われ、永く愛用されています。
常滑焼 青峰作 焼〆急須 秋草
宝瓶 Houhin
菊の花が咲くころ、よく晴れた菊の香がしみ通るように澄んだ秋の日。古くは菊に降りた朝露で体をぬぐい長寿を願いました。
持ち手のない急須、玉露や上煎茶の旨味を引き出すのに適しており、旨味をゆっくりと引き出し、美味しくいただけます。
三川内焼 嘉久正窯 染付宝瓶 菊
行燈 Oriental lamp
秋のまだ夜が更けわたらないころ。秋の美しい日暮れから、夜にかけて少しずつ空が暗くなっていく静かでゆったりとしたひととき。
駿河竹千筋細工特有の丸ひごの柔らかな曲線が、和紙を透した灯りを受けて浮かび上がり、優しい光をともします。
駿河竹千筋細工 行燈 照陽