暑い夏を心地よく。涼やかなうつわCool and refreshing tableware in summer
いよいよ夏本場。日本では古来より夏を涼やかに暮らすよう五感で涼を感じる工夫をしてまいりました。今回は、暑い夏に涼やかなお二人の女性作家の器をご紹介します。
Summer is finally here. Since ancient times, Japanese people have been using their five senses to feel the coolness of summer. We would like to introduce 2 women artists who have created cool and refreshing dishes for the hot summer.
暦の上では小暑、いよいよ夏本番を迎えます。古来より、日本では、夏を涼やかに暮らすよう、五感で涼を感じ取る工夫をしてまいりました。
今回は、夏の食卓を涼やかに演出してくれる、瑞々しい青が美しい器をお届けします。
日本を代表する陶磁器の産地である愛知県瀬戸市より 眞窯 加藤真雪さん、岐阜県多治見市より藤内紗恵子さんの作品をご紹介します。女性ならではのやさしい風合いと、それぞれ異なる風合いを見せる瑞々しい青色が涼やかなな器が、まもなく迎える夏本番に爽やかな風を吹かせてくれることでしょう。
是非この機会にお楽しみください。
眞窯 加藤真雪
1919年創業の愛知県瀬戸市の瀬戸染付焼、眞窯の加藤真雪さん。
透明感があり柔らかな風合いの白い素地と、写実的で繊細さが魅力の染付である瀬戸染付焼。呉須による藍の発色は、素地・釉薬・焼き方によって窯元ごと異なりますが、潤いをもったブルーは眞窯の特徴の一つとなっています。また、通常2回施す焼成を3~4回繰り返す眞窯の作品は、濃淡の表情が豊かに表れ、白字に青が一層鮮やかに映えています。また加藤真雪さんは、伝統的な瀬戸染付焼をさらに独自に発展させ、青だけでなく、金や赤などの色を取り入れた特徴的なデザインは、伝統柄にはない斬新な印象を与えています。
藤内紗恵子
岐阜県で活動をされている陶芸家 藤内紗恵子さん。
「潤い」をコンセプトに生み出される器は、ガラスのような涼しげな釉薬と表面の貫入の表情が印象的で、きらめる水面を連想させます。磁器ならではの軽やかさを出す為に、ろくろを引いた後にさらにかんなで薄く削りシャープさを際立たせながら成形されています。
釉薬の量、焼成時間の見極めに細心の調整、見極めに神経を使いながらも生まれる、一つ一つ微妙に異なる手仕事ならではの揺らぎも楽しみのひとつです。
1983年 滋賀県草津市生まれ
2006年 岡山県立大学デザイン学部工芸工業デザイン学部 セラミックデザインコース卒業
2011年 多治見市陶磁器意匠研究所 技術コース修了
2012年 同所 セラミックスラボ 修了
2013年 個展(陶林春窯・多治見)
2019年 有田国際陶磁展 熊本放送賞受賞
現在 岐阜県多治見市にて制作