絢爛たる錦山窯の世界Kutaniware -Kinzan klin-
細やかで絢爛華麗な絵付で知られる九谷焼。百十年の歴史を持つ伝統を常に未来に?いできた錦山窯。繊細な煌き、三者三様の美しさが響きあう、錦山窯の夢の世界をお楽しみください。
Kutani ware is known for its fine gorgeous paintings. Kinzan kiln from Kutani has inherited its hundred-year tradition to the future. Please enjoy the dream world of Kinzan Kiln, where delicate sparkles and the beauties echo to each other.
錦山窯
今回ご紹介する錦山窯は、石川県小松市にある九谷焼上絵付を専業とする窯元です。1906(明治 39)年に初代吉田庄作が開業して以来、およそ 110 年の間、窯の火を絶やさずに作陶を続けてきました。17世紀に加賀藩の御用窯として発展した九谷焼は、五彩を駆使した色絵や金彩をあしらった金襴手など、細やかで絢爛華麗な絵付を特徴としています。明治時代には「ジャパンクタニ」と称されて海外にも広く輸出され、その技術や造形美は世界中から高い評価を受けてきました。
錦山窯では、九谷が育んできたさまざまな技法を受け継ぎ、現在の作陶に活かしています。なかでも、錦山窯が得意とするのは、金彩の技法です。彩色金襴手に長けていた初代から代々、金を使った絵付を特徴としてきました。三代美統は「釉裏金彩」の技法を高め、国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受けています。そして四代幸央は伝統の技を継承しながら、時代に合った新しい彩色金襴手の表現を生みだしています。
OLD KUTANI
百年余りの長い歴史のなかで、錦山窯が育み、受け継いできたもの。それは、伝統的な技法だけにとどまらず、材料の製法や道具、種々の型や図案、そして花びらのように小さな盃から、抱えきれないくらいの大壺にいたるまで錦山窯で焼かれ、参考品として残されてきたものの数々。そうしたすべてがいまの錦山窯を形成しています。
そこで今回は、そうした錦山窯のルーツを辿るべく、緻密なまでの職人技の絵付けを施した茶器セットや、当時の職人の遊び心を映した酒器など、OLD KINZANもご覧いただけます。
古今をあわせ観ることで、より深く、錦山窯に魅了されることでしょう。