海亀の甲羅から作られる、独特な美しさをもつ「べっ甲細工」。
17世紀江戸時代より、原料を輸入していた長崎の地で作られるようになり、400年に渡って今日まで伝承されています。長崎より、無垢の「本べっ甲※」にこだわったべっ甲細工が届きました。
眼鏡やアクセサリー、茶道具をはじめ、今回は珍しい置物も多くご覧いただけます。べっ甲独特の絶妙な質感、色合いをお愉しみください。
べっ甲細工とは
べっ甲細工の歴史は古く、奈良時代に中国から伝来、正倉院の宝物殿にも納められています。17世紀の江戸時代になると、原料を輸入していた長崎の地でも作られるようになり、400年に渡り、今日まで伝承されています。
べっ甲細工は、「玳瑁(タイマイ)」という海亀の甲羅を原料に作られます。希少な海亀の甲羅を、職人が一枚一枚丁寧に貼り合わせ、そこから形状を切り出し、磨き上げることで、一つの作品が出来上がります。
べっ甲には、体温に反応し身体の接点に合わせて自らを成形していく特性があるため、眼鏡やアクセサリーなどに最適です。また繊維の方向性があってずれにくいため、簪(かんざし)としても昔から重宝がられてきました。
※「本べっ甲」とは、100%天然のべっ甲。対して、「貼りべっ甲」は人口樹脂の表面に一枚だけ、べっ甲を貼ったもの。「本べっ甲」はより素材本来の特徴が際立つ。