新しい年を、新しいお箸で
日本には、古くからお正月にその年に使う箸を新調する習慣があります。
新しいお箸を使うことで、その年の無病息災を祈願する意味合いがあるそうです。箸は「食べるのに困らない」、「沢山いただく」ことから、「健康」や「長寿」を示す縁起物と考えられていました。
また、昔は食べ物自体が神様の贈り物と考えられており、口に運ぶ箸先は人のもの、もう片方の端は神様のもの、箸には神様と人とを結ぶ” 橋渡し”の役割があるとされ、使うことで神様に感謝を伝える、とされていました。
オーダーメイド箸 実演販売
11日はお箸の日。
黒檀などの堅牢な素材を一本一本手作業で削り出し箸に仕上げる、東京の箸職人・小林守氏。
使う道具は、鋸(のこぎり)と鉋(かんな)のみで、黒檀やスネークウッドといった堅牢な材料を根気強く丁寧に削り出し、何度も何度も持ち心地を確かめながら仕上げていきます。
当日は、箸の素材・長さはもちろんのこと、 すべての面に指がかかり手に馴染む「六角」、手のあたりがやわらかく縁起物としても人気の「八角」など、形状も様々です。 そして 太さ・箸先まで、その場でリクエストに合わせて、削り出して仕上げていただきます。 上質な素材で自分仕様にカスタマイズされたお箸は、手に馴染む持ち心地や口に触れる感触を格別にする逸品です。
一年使ったお箸に感謝し、新しいお箸で家族の一年の健康と幸せを祈り、これから毎日、本当によいものを使う贅沢を味わってみませんか。
祝い箸
正月はその年の豊穣を司る歳神様をお迎えする行事で、門松や鏡餅など歳神様をお迎えする準備を整え豊穣を祈ります。そして、おせち料理やお雑煮をいただくときは、「祝い箸」を使います。
祝い箸は末広がりの八寸(約24センチ)で縁起がよく、両端が細く上下の区別のない丸箸が使われます。これは、神道の行事では神様と人間が一緒に食事をするのが大事なことと考えられ、細い両端の一方は神様(ご先祖様)がお食べになり、もう一方は人が食するため、「両口箸」とも呼ばれます。またお正月やお祝には「割れる」ということを嫌いますので、割箸ではなく角のない2本の丸箸を使い、中ほどが太めにできていることから、五穀豊穣を願って米俵を模し、「俵箸」、「はらみ箸」と呼んで子孫繁栄を表したり、「太箸(たいばし)」と呼ばれることもあります。
お正月の祝い箸は、大晦日に家長が家族の名前をそれぞれの箸袋に記入し、箸を入れて神棚に供えておくのが習わしです。その箸を元旦に使ったら、自分で清めて(洗って)、松の内(1月7日まで)は同じ箸を使います。