茨城県は、東京からおよそ1時間、水と緑に恵まれた多彩な自然景観と豊富な地域資源を有しています。こうした風土や生活の営みの中で様々な匠の技が育まれ、磨かれ、そして脈々と受け継がれてきました。中でも伝統的工芸品として指定されている茨城県の銘品、「笠間焼」「真壁石燈籠」「結城紬」の新作をご紹介します。
今回発表する新作では、各産地ともに新たな挑戦を試みています。各産地の特質や個性に重きをおきながら、新しい要素を取り入れ、現在のライフスタイルに見合ったものへと昇華された品々をどうぞご覧ください。
結城紬
結城紬は古くから伝わる高級絹織物です。生産工程は40工程以上、すべての制作工程が一貫して手仕事です。経糸、緯糸とも真綿を手でつむいだ「 手つむぎ糸」 を使い、日本で最古と言われる織機 「地機」 が用いられます。製織日数は、無地でも数週間から数か月を要する場合もあります。
真壁石燈籠
硬質で堅牢な真壁石で作る石燈籠です。桜川市真壁一帯は古くからの石の産地で、仏教伝来により、産出された石は、仏石・城郭などにも使用されるようになりました。江戸中期からは、常夜燈として「 真壁石燈籠」 が寺社に奉納され、素朴で重量感ある石燈籠の原型が出来あがりました。
笠間焼
笠間焼は、二百数十年の歴史を刻む個性豊かな質の高い焼き物です。鉄分を多く含んだ赤褐色の笠間粘土は、可塑性に優れているため、ろくろによる成形技術が発達しました。新旧窯元が、日用品から装飾品、オブジェまでさまざまな作品を生み出しています。