開催中の「しまのかたち 琉球の風」にあわせ、 「松藤 崎山酒造廠 千代泉酒造所」 の試飲販売会を行います。一緒にご用意した酒器は、泡盛と相性のよい沖縄生まれの「からから」。貴重な泡盛を飲むだけでなく、泡盛を通して物語を楽しみ、豊かな沖縄文化に触れてみてください。
沖縄の泡盛文化への想い
沖縄県宮古島の狩俣地区にあった小さな泡盛蔵【千代泉酒造所】は、2013年に諸事情により休業、泡盛生産はストップ惜しまれながら廃業の一途を辿り、 地元住民を中心に親しまれ、飲まれた泡盛「千代泉」は世の中から姿を消しました。
2017年、廃屋となった酒造所の蔵にわずかに残った泡盛を発見、 そのお酒を救い出すため「誇酒プロジェクト」を始動し、限定復活への狼煙をあげます。
600年前に生まれた日本最古の蒸留酒《泡盛》。国酒として妥協なく磨かれた歴史ある泡盛は、悲しい歴史である70年前の沖縄戦で、何百年と備蓄されていた古酒だけでなく、泡盛のたしなみ方やお酒に対する価値観を含めた泡盛文化そのものが滅びかけてしまいました。あれから70年、泡盛は作り手の愛情や麹が息づく酒蔵の成長によって、そのポテンシャルを少しずつ取り戻し、昔ながらの深い味わいを楽しんでいただけるお酒へと生き返ってきました。
ところが、残念なことに、ビールやワイン、日本酒、ウィスキーなど、多様なお酒文化の中で、様々な事情から泡盛の酒造所それぞれが持つお酒の特徴や味わいを開花させる前に廃業してしまう酒造所も出てきています。沖縄県宮古島の歴史ある狩俣(かりまた)という地域で長年愛されてきた千代泉酒造も、残念ながら廃業してしまった酒造所の一つ。 「千代泉」という酒造所の名は、「千代に枯れることなき泉のごとく平和を願う。」という意味で、戦後の宮古島に誕生した小さな酒造でした。
今回のプロジェクトは、その千代泉酒造の酒蔵の中で静かに眠っていた泡盛の原酒約2万リットルを引き取り、泡盛の歴史や文化、酒造所のあった狩俣の地域性などを千代泉のお酒に乗せて、600年の歴史ある泡盛の魅力を再興しようとする取り組みです。もはや造られることのない最後の千代泉のお酒だけでなく、最期の泡盛からはじまる泡盛との出逢いを、お届けします。 ぜひ千代泉をご賞味いただき、そして泡盛文化へ改めて目を向けてみてください。
琉球のやちむん「カラカラ」
沖縄を代表する酒器「カラカラ」。コミカルな名前の由来は、器を振るとカラカラと音がするから、沖縄県の方言で「かして」が「から」という音に聞こえ酒席でそう言われるようになったから、などと諸説あります。器を振ると音がするのは、ラムネ瓶のビー玉のように取り出せない玉(陶製)が内部に入っているから。泡盛が入っていないときに振って音を鳴らす。泡盛を囲む沖縄での生活が垣間見えてきます。
開催概要
- 日時
- 2018年8月3日(金)・4日(土) 12:00 ― 18:00
- 場所
- 東京ミッドタウン 3F THE COVER NIPPON 店内