その創業は古く、瀬戸内海に面した温暖な岡山県笠岡市で、1897年(明治30年)から農作業用の麦わら帽子の製造に長く携わってきました。現在は四代目にあたる4人の兄弟妹が事業を引き継ぎ、緑に囲まれた静かな環境のなか、それぞれがデザインと縫製を手がけています。一貫して追及してきたのは、シンプルかつ美しいフォルム。ブレードという組紐でつくる帽子を中心に、業界問わず多くの人に支持されています。
製造工程のほとんどが熟練した職人の手作業で行われます。石田製帽の特徴のひとつが、チェーンステッチと呼ばれる環縫いミシンを使用していること。機械の調整が難しく、幅が6ミリ以下で極細ブレードといわれるところ、石田製帽の職人は2ミリ半~3ミリのブレードの加工・縫製技術を確立しています。そのため、縫い目がストレッチして頭に吸い付くように馴染みます。(一部製品では本縫いミシンも使用しています)