山梨の織物の歴史は古く、なかでも「甲斐絹（カイキ）」は約400年前に南蛮船でもたらされた絹の生地をルーツに持ち、羽織の裏として粋人が熱狂しブームを作るほどの人気を誇りました。日本有数の高級織物産地として発展をとげた山梨・甲州織の傘とストールで、初夏の装いをお楽しみください。

甲州織

甲斐の国（甲州・現在の山梨県）は、国中と郡内地方の二地域に分かれており、郡内地方とは、富士の秀峰を仰ぐ大月・谷村・西桂（三つ峠）・富士吉田の丘麓地方と富士五湖一帯をさします。昔からその景勝水明と共に織物の産地として名高い地域で、なかでも代表的な甲斐絹（カイキ）は美しく高価な絹織物で、明治から大正時代を全盛期に人気を集めました。甲斐絹の歴史は古く、約400年前に南蛮船で更紗などと共にもたらされたインド地域の薄い絹の生地（海気）がルーツとされ、その製法は日本各地に広がり、富士の麓・郡内地域に根付いたことで海気の品質はより優れたものになっていき、郡内地域は現在も日本有数の先染高級織物産地として、多くの織物を輩出しています。

【武藤株式会社】　カシミヤ、シルク、麻、和紙、オーガニックコットンなど、糸の持つ美しさや特質は織物のハーモニーであり、リズム。天然素材の風合いにこだわる「武藤のストール」は、富士北麓地域に古くから伝わる織物の伝統を引き継ぎ、主に昔ながらの織機を使用し、素材の持ち味が最大限に表現できるように「織りこなし」の技術を日々研鑽して世界に誇れる日本の逸品を生み出しています。

【株式会社槇田商店】　江戸末期から現代まで、この山梨の地で先染めの傘生地の生産を行っています。槇田商店の作る傘は、ただ雨露をしのぐための「道具」ではありません。心を込めて丁寧につくられた、日本人の心が詰まった「文化」。素晴らしく、そして美しい、日本の傘をお届けします。

【甲斐絹座】　山梨県-甲斐では400年前から伝わる地元のシルク「甲斐絹（カイキ）」の生産が盛んに行われてきました。その先人の心と技が織り込められた「甲斐絹」を現代にもう一度復活させようと、富士北麓地域の織物職人たちによって設立されたのが、「甲斐絹座（カイキザ）」です。甲斐絹は「先練り、甘撚り、高密度」が特徴。絹というとツルツルとした感触を想像しますが、少しだけ撚りをかけて高密度に平織りされた「甲斐絹」はサラサラとした感触で程よい腰があり、艶は深い底艶があります。人肌のようなしっとりとした温もりも特徴です。