2016年、THE COVER NIPPONの初売り1月2日(土)・3日(日)は、有田焼創業400年を祝って、有田焼の酒器『匠の蔵 SAKE GLASS』で、有田の老舗酒蔵『宮の松』の純米吟醸の、振る舞い酒を行います。
有田で寿ぐ-THE COVER NIPPONのお正月をお愉しみください。
※酒器・日本酒ともに THE COVER NIPPONにてお取扱いしています。
匠の蔵 ARITA TAKUMI NO KURA SAKE GLASS
有田の窯元の伝統ある匠の技術と、有田商人の産地への情熱を細部までに宿し、連携したプロジェクトから生まれた「匠の蔵」。日本酒は、酒器によって味や香り、感じ方などが違うことから、度重なる試行錯誤の末、さっぱりとした味わいの淡麗とコクのある味わいの濃醇に合った、2つの形状の日本酒グラスを完成しました。ものづくりの原点に戻り、新しい商品を開発し、時代に挑み続ける有田の底力を、是非手に取って、ご覧ください。
宮の松 -松尾酒造場
有田焼でおなじみ陶磁の里・有田町。蔵のある大木宿は、有田町の中心市街地と伊万里市とのちょうど中間に位置し、かつて有田焼を伊万里の港へと運んだ街道沿いにあります。西の佐世保市との境には標高700mを超える国見連山が屏風のように連なり、その中腹には《山田錦》が育つ「日本棚田百選」にも選ばれた美しい棚田が広がっています。また、東には伝説に彩られた怪岩奇石の黒髪山と青螺山が墨絵のような姿を見せ、その登山口竜門峡には「日本名水百選」「日本の水源の森百選」にも選ばれた清流が躍ります。山々に囲まれた盆地では、夏の昼間は青い空にギラギラと暑い太陽が照りつけるものの、夜はひんやりとした肌寒さに蛍が飛び交い、また、冬には小雪が舞い洗濯物が凍ることも珍しくありません。恵まれた自然が生む名水と、夏と冬、昼と夜の厳しい寒暖差が旨い米と旨い酒を育てます。
蔵が創業した年代は定かではありませんが、少なくとも江戸後期。かつて有田焼を伊万里の港へと運んだ街道沿いにある大木宿で、7代目当主・松尾長助が酒造りを始め、以来、150有余年。当時の面影を残す静かな街に溶け込むように佇む酒蔵で、名水と豊かな自然に恵まれ、酒造りに励んできました。酒銘は、明治のある年に行なわれた新年の勅題が「社頭の松」だったことに由来。昭和32年(1957年)から福岡国税局新酒鑑評会で十三年連続入賞を果たすなど実績を重ね、小さな蔵ながら、地元有田町に根ざした丁寧な手作り酒を醸しています。
棚田生まれの《山田錦》と、飲むと甘く感じるほど軟らかい名水、それに冬の寒さが「宮の松」のなめらかで繊細な味わいを生み育てます。従業員数は社長を含めてわずか5人。季節雇用の蔵人は、井上杜氏だけ。当然、社長自ら蔵人の一人として働きます。井上氏は、肥前杜氏でありながら、南部で修行し、静岡、広島、福岡と全国をまたにかけて杜氏を務め、いまやもっとも注目される杜氏のひとり。特定名称酒は、すべて地元産の《山田錦》で、仕込みはすべて1.2tまでの小仕込み。白米の調湿に始まり、手洗いでの洗米、槽での上槽に到るまで、すべてが丁寧に手造りされます。350石ほどの小さな蔵ですが、香り高く、淡麗で上品な旨味のある日本酒を造っています。