富士山の麓に、全国有数の織物産地があります。その歴史は古く、この地に初めて織物が伝えられたのは紀元前219年という伝説が残っているそうです。脈々と受け継がれた織物の産地、山梨より様々な素材を活かしたストールや雨傘・日傘が届きました。初夏のお出掛けのアイテムにお愉しみください。
甲州織
甲斐の国(甲州・現在の山梨県)は、国中と郡内地方の二地域に分かれており、郡内地方は、富士の秀峰を仰ぐ、大月・谷村・西桂(三つ峠)・富士吉田の丘麓地方と富士五湖一帯の事であり、昔からその景勝水明と共に、織物の産地として名高い地域です。
甲州織の源となる織物、甲斐絹(カイキ)は、明治から大正時代に全盛期であった美しく高価な絹織物です。その歴史は古く約400年もさかのぼります。南蛮船で更紗など共にもたらされたインド地域の薄い絹の生地(海気)がルーツとされ、その製法は日本各地に広がり、やがて、自然豊かな富士の麓にある、郡内地域に根付き、ここから海気の品質が優れたものになっていきました。現在でも郡内地域の技術は、日本の先染高級織物産地として、現在でも多くの織物を輩出しています。【武藤株式会社】 「武藤のストール」は天然素材の風合いにこだわっています。カシミヤ、シルク、麻、和紙、オーガニックコットン等、糸の持つ美しさや特質は織物のハーモニーであり、リズムを組織していきます。また、富士北麓地域に古くから伝わる織物の伝統を引き継ぎ、昔ながらの織機を主に使用し、素材の持ち味が最大限に表現できるよう、「織りこなし」の技術を日々研鑽し、世界に誇れる日本の逸品を作るため努力しています。
【株式会社槇田商店】 江戸末期から織物の商売を始め、太平洋戦争をはじめとした様々な障害を乗り越え、現代までこの山梨の地で先染めの傘生地の生産を行ってきました。槇田商店の作る傘は、ただ雨露をしのぐための「道具」ではなく、心を込めて丁寧につくられた、日本人の心が詰まった「文化」です。 そんな素晴らしい、そして美しい、日本の傘をお届けします。
【甲斐絹座】 山梨県-甲斐では400年前から地元のシルク「甲斐絹」を使った生産が盛んに行われてきました。その先人の心と技が織り込められた「甲斐絹」を、現代にもう一度復活させようと、富士北麓地域の織物職人たちによって設立されたのが、「甲斐絹座」です。甲斐絹は「先練り、甘撚り、高密度」が特徴です。絹というとツルツルとした感触を想像しますが、少しだけ撚りをかけて高密度に平織りされた「甲斐絹」はサラサラとした感触で程よい腰があり、艶は深い底艶があります。人肌のようなしっとりとした温もりも特徴です。