ここにしかない色 ここにしかないストーリー
2011年12月 小さな染め工房に新しいブランドが生まれました。
岐阜市の北東部、豊かな田園地帯が広がる一角にたたずむ第二いぶきで、障害のある方がモノづくりに取り組んでいます。のんびり散歩しながら、周りの野山から採ってきた山野草、人づてにいただいてきた樹木の枝や実、四季折々の大地の彩りをそのまま布に映し込めないかな、そんな想いで、小さな桶にはった染液を、ゆっくりゆっくりかき混ぜ続けて14年がたとうとしています。いろんな人と人が、今日もたくさんの色でつながりますように。「百々染~momozome~」にはそんな願いが込められています。
1日に染まり上がるのは5枚が限度。急がず、慌てず、ていねいに染め上げています。
山で採ってきた花、公園で見つけた草花をちぎり、じっくり煮込み、ゆっくりそれぞれのペースで染め上げてうまれたストールです。ふたつとして同じ色のものはなく、だからこそ染めている毎日がどんな色に染まり上がるのかワクワクします。
野山や公園に咲く草木花、自然にあふれる色彩の世界は、あざやかで やわらかく やさしい色。自然が持つ力強さと優しさが百々染の原料となり、さまざまな色彩が映し出されます。
そして百々染で使う草木花は、摘んできたりいただいてきたものばかりではありません。
例えば、第ニいぶきの給食で使った玉ねぎ。本来なら捨ててしまう皮も染めの大切な原料になります。同じように他の工房でつくられているジャムづくりから、使わなかった果物の皮やあまった実も、百々染に欠かせない染めの原料となります。
百々染をつくる仲間たち
百々染は、岐阜市のはしっこ静かな山に囲まれた第二いぶきで一枚ずつ丁寧に染められています。いぶきのなかまはそれぞれ障がいがありますが、みんな個性豊かで日々楽しく作業しています。今日も、百々染の工房ではいろんな人が、その人ならではのシゴトをして、おだやかな時間が流れています。