古代からやきももの一大産地と謳われた六古窯のなかでもとりわけ歴史があり、現在まで盛んに窯の火と焚き続けている稀有な窯「備前焼」。 11月号の目の眼では、この備前焼を特集。それに伴い、店頭では備前焼を現代に継承する若手作家8人の作品をご紹介します。同時に貴重な古備前も一部届きます。備前の魅力を存分にお楽しみ下さい。 。
目の眼11月号特集「目の眼的 六古窯の旅 ― 備前の里を訪ねて ― 」
土と炎に彩られる、地味豊かなやきもの「備前焼」
釉薬を用いず、土と炎だけで作り出される備前焼。古くから庶民の生活雑器を焼き続け、その堅牢さと使い勝手の良さが認められ、室町時代には全国シェア一番となりました。焼成中の松の灰が飛んで溶け掛かった「胡麻」、窯の間仕切り近くに置いて還元炎と焼成炎の色変わりをまとわせた「桟切(さんぎり)」、稲藁を巻いて赤い発色を際立たせた「火襷(ひだすき)」など、備前焼の加飾は炎の工夫に尽きます。 この美しさに着目した桃山の茶人は、それまで土間で使う道具でしかなかった備前焼を茶席に上げ、最先端のアートとして採り上げ、それ以来、数千百年にわたりやきものを作りつづけている備前には、それぞれの時代に名品があります。
若手作家8人のご紹介 ※五十音順
・大石橋 宏樹
・木村 英昭
・柴岡 久
・原田 良二
・久郷 剛司
・高原 武
・森本 直之
・渡邊 琢磨