京都西陣の『高山工房』より、金箔や銀箔を圧した和紙を、反物の横糸に丹念に織り込んでいく『引き箔』の技をご披露いただきます。
この引き箔を用いてつくられた反物は、実は柄付けに天然素材そのままを使用しており、アワビの貝殻の内側から採れる虹色の螺鈿(らでん)に切り絵を施したものや、自然の草木の押し花をそのまま柄にしてしまうというから不思議です。 現在、この押し花を使った反物をつくれるのは、日本でも高山工房一ヵ所だけですので、とても貴重な実演です。
方法は、まず和紙に金箔や銀箔を圧し、その上からさらに押し花をのせていきます。反物に折り込んだときに色落ちなどしないよう、半年間寝かせたあとの良質のものだけを使用し、織り込んだときに毛羽立ち、欠けないよう、押し花の上からさらに薄い和紙を圧します。 そして、その押し花を圧した箔和紙を細い糸状に切断し、横糸と交互に織り込んでいくことで、本物の押し花が反物の絵柄として再現されていくのです。
是非この機会に足をお運びいただき、その美しさを堪能してくださればと思います。
※美濃和紙を使用した帯や、角度によって絵柄の変わる帯など、興味深いものが揃います。