西陣織の中でも対照的な2つの織物、「唐織(からおり)」と「紹巴織(しょうはおり)」の袋帯をご紹介します。
「唐織(からおり)」
西陣を代表する織物の技法の中の一つ。綾織地の上に多彩な色糸を使い、柄を刺繍のように縫い取りで織り出す技法で、錦地の中で最も高級とされる織物です。古くは将軍など限られた人の装束や能衣装として用いられており、現代でも能の女役の上着類は見事な唐織です。訪問着、紋付色無地、付下げなどに合わせてお召しください。流行すたりない正統派の帯で、母から娘へと代々受け継いでいただける袋帯です。
「紹巴織(しょうはおり)」
名物裂、明代紋織物のひとつで、千利休の弟子の連歌師、里村紹巴が好んだことからこの呼び名が付いたと言われています。高級品として代表的な綴れ織に似ていて、緯糸が経糸を包み覆うような織り方を特徴とし、緯糸によってのみ柄行が織り表されています。そのしなやかな風合いは締めてしっかりとゆるみにくく、しわになりにくい、洒落袋帯です。
正統派の意匠、醸し出される独特の雰囲気、卓抜した織妙を、心ゆくまでご堪能ください。