磁器を薪で焼く みかわち焼 登り窯(長崎)Mikawachi ware climbing kiln (Nagasaki) where porcelain is fired over firewood
11/1(土) – 11/30(日)
20世紀以降のやきものは、薪を燃料にした登り窯からガス窯や電気窯へと移行する中で、昔ながらの登り窯に挑戦しつづける「登り窯のみかわち焼」の特集。11/7トークショー開催
Since the 20th century, pottery has shifted from wood-fired climbing kilns to gas and electric kilns. In this issue, we will feature "Climbing Kiln Mikawachi Pottery," which continues to continue to challenge the traditional climbing kilns. Talk show on November 7th
長崎県のやきもの「みかわち焼」。
長崎県佐世保市の東端部に位置する三川内地区。江戸時代は平戸藩に属し、東は佐賀藩有田(佐賀県有田町)、南は大村藩波佐見(長崎県波佐見町)に隣接しており、近世肥前窯業の主要生産地の一つ。『日本磁器のふるさと 肥前』として日本遺産にも選定されています。
20世紀以降、日本の近代化とともに、やきものの世界では、薪を燃料にした登り窯から石炭窯に、第二次世界大戦後は、重油窯、そしてガス窯、電気窯へと、その時代時代において最も理に適った仕組みの窯に移行してきました。
その流れは三川内も同じで、便利なガス窯や電気窯の普及した現代に、細い筆を駆使した絵付けの染付そめつけ磁器や、動物・植物をかたどった繊細な磁器を、あえて薪の窯で焼くのはほとんど見られなくなりました。ガス窯は酸素の量や温度のコントロールが容易で、煤などが混じることなくきれいな状態の炎を保つため、白いものをより白く、呉須の藍を鮮やかに焼き上げてくれます。繊細な筆づかいや細かな造形(細工)という、みかわち焼の特徴をより際立たせます。
釉を掛けたうつわをそれぞれが持ち寄り、窯のなかに詰めていく作業を共同で行います。 焚き始めから数時間は、急激な温度変化でうつわが割れてしまうのを避け、ゆっくり温度を上げます。その後、窯のなかの温度が1000度を超えるあたりから、温度を確認しながら薪を投じるタイミングを計り、窯焚きは二日間にかけて行います。窯焚きに掛けた時間と同じ、2日間冷却します。窯出し作業では、まだうつわは熱い状態です。
こうしてつくられた、ひとつとして同じものがなく、味わい深い、登り窯のみかわち焼を、存分にお愉しみください。
*期間中、三川内焼をお買い上げの方へ、作品を窯に入れて焼成する際、作品がくっついてしまわないよう焼台として下に敷く大事な窯道具「ハマ」を先着50名にプレゼント致します。数に限りがございますので、お早めにお越しください。
「磁器を薪で焼く みかわち焼 登り窯」トークショー
11月7日 (金) 17:30~19:30
今回の特集にあわせ、三川内焼の作り手 玉峰窯の中里峰幸さん、平戸松山窯の中里月度務さんをお招きし、トークショーを開催します。
三川内の土地では、有志のつくり手たちが集まり1年に1~2回のペースで登り窯の焼成を20年以上続けています。みかわち焼の登り窯をはじめたきっかけや、登り窯の魅力、これからの思いなどを語っていただきます。
トークショーでは、窯焚きで使用する道具やそこから生まれたうつわなどをご覧いただけます。また、1300℃近い窯の中を覗いて傾き具合で確認する「ゼーゲル錐」を限定数プレゼントをご用意しています。
事前予約制で、定員30名になり次第締め切りとなりますので、お早めにお申し込みください。
開催概要
- 日時
- 11月7日 (金) 17:30~19:30
受付時間 17:00~ ※途中入場いただけます - 会場
- THE COVER NIPPON店内(東京ミッドタウン ガレリア3F)
- 定員
- 30名 ※事前予約制 / 定員になり次第締切と致します。
- 会費
- 無料
- 注意事項
-
・災害などのやむを得ない事情により、予定しております内容が余儀なく変更・中止になる場合がございます。予めご了承ください。
・お申込み情報は、最新に更新されていない場合があります。お申込み頂いた際にすでに満席の場合はご容赦願います。
登壇者Speaker
中里 峰幸 Mineyuki Nakazato
玉峰窯 Gyokuho kiln
中里 峰幸 Mineyuki Nakazato
玉峰窯 Gyokuho kiln
子供の頃から窯場を遊び場としており、高校卒業後 昭和54年より作陶活動に入る。
当初は磁器をメインとしておりましたが陶器(土もの)にシフトし改めて磁器のおもしろさが見え、陶器にある温かさ・味わいを磁器に取り入れた器づくりを心がけている。本物だけが持つ使い込まれたときの美しさを出せるよう、器づくりを目指し、三川内焼の伝統でもある染付にこだわり、日々精進している。
- 1961年
- 長崎県佐世保市三川内町生まれ
- 1977年
- 長崎県立有田工業高等学校 機械科卒業
- 1979年
- 作陶活動に入る
中里 月度務 Tsutomu Nakazato
平戸松山窯 Hirado Shozan kiln
中里 月度務 Tsutomu Nakazato
平戸松山窯 Hirado Shozan kiln
佐賀県立有田窯業大学校卒業。赤坂陶香堂にて修行後、後を継ぐため三川内町へ帰郷。
平戸松山窯は 三川内の代表的なデザインである「献上唐子」を代々書き続けており、父・勝歳のもとで、伝統的な献上唐子を学ぶ。作品は染付が主で、唐子絵、祥瑞文様、唐草文様を上品に描き、日本橋高島屋をはじめ、各地で個展を開き、注目されます。今後も技術を高め、品質の向上に努めている。
- 1961年
- 長崎県佐世保市三川内町生まれ
- 1977年
- 長崎県立有田工業高等学校 機械科卒業
- 1979年
- 作陶活動に入る
登り窯の歩みや協働で窯を焚く魅力について、窯元たちが語りました。




