よみがえる珠玉の輝き 薩摩切子(鹿児島)Alike of brilliance of precious stones is revived: Satsuma Kiriko
7/1(火) - 8/17(日)
幕末期島津家28代斉彬が近代化政策の一つとして完成させた薩摩切子を1985年に再び復刻。当時の名品の数々や現代のライフスタイルに合わせた薩摩切子をお届けします。
Satsuma Kiriko was perfected in the late Edo period under modernization policies by Shimazu Nariakira, the 28th lord of the Shimazu clan. The technique was reproduced again in 1985. We offer a variety of masterpieces suited to a modern lifestyle.
幕末の激動が生んだ究極の切子
江戸時代、薩摩藩島津家27代当主・島津斉興が、製薬工場を設立しそこで必要な医薬品用のガラス器をつくるため、江戸から職人を招いたことからと始まりました。
その後ペリー開港の2年前、篤姫の養父であった島津家28代当主・島津斉彬が薩摩切子を開発し、将軍家の献上品や海外交易品とされ、大胆なカットや細かい文様から生まれるグラデーション「ぼかし」は、どこか幽玄な味わいを醸し出し、当時諸外国を魅了したと言われています。
ところが斉彬の急逝や薩英戦争による工場の破壊され、維新の動乱の中、衰退の一途をたどり、わずか20年足らずで薩摩切子は終焉してしまいます。

薩摩ブラウン
新しいアーバンカラー登場。発色を優先するとガラスが硬く切削ができず、切削を優先すると思うようなカラーとならず試行錯誤を重ね、深く温かみのあるブラウンが生まれました。
そして100年後の1985年、薩摩切子は、島津家の主導で復刻が試みられ、なかでも黒切子は十数年かけて開発されました。薩摩切子の生地は透明ガラスに色ガラスを厚く被せた「色被せ(いろきせ)」という技法で作られます。収縮の度合いが異なる2色のガラスの膨張を揃えながら吹くことは通常でも難しい上に、生地の裏側が見えないので手に伝わる感覚と微妙な音の揺れだけを頼りに繊細な模様を削る黒切子は、まさに五感が生み出す卓越した手技、究極の切子と言えるでしょう。

薩摩黒切子
生地の厚い薩摩切子の中でも特に黒色は光を通さないため、カッティングは長年の経験と勘が必要な高度な技術です。制作にも通常の2~3倍の時間かかり技術の限界に挑戦した逸品です。
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伝承 薩摩切子
幕末から明治初頭に栄えた薩摩切子を、先人より伝えられた意匠と技術を受け継いだ匠が、現代の技術と発想を以って蘇らせた「伝承 薩摩切子」のお重。夏の涼やかな食卓に華やかさを添えてくれます。

翡翠(かわせみ)
瑠璃と緑の二重被せは、通常1色の被せのところ2色の異なるカラーを被せてカットを施しています。濃淡の異なる2色が美しくグラデーションとなり、美しく艶やかな輝きが見る人を魅了します。
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八角籠目紋様
切子の代表的紋様の一つである籠目紋の中でも最も好まれた八角籠目紋様は、竹籠の八角形の編み目に由来し、六角籠目と並び多用されている切子紋です。
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薩摩びーどろ工芸
薩摩びーどろ工芸は、江戸時代に発展した薩摩切子の様式や意匠を復刻することはもとより、新色の開発などに独創性を発揮するガラス工芸工房です。工房内で吹きとカットの両工程を行える強みを生かし、試作を何回も重ね、新しいデザインや表現に挑戦しています。