「心を継ぐ一杯 」 髙取焼宗家(福岡)A cup of bliss that connects the heart: Takatori Yaki Souke (Fukuoka)
4/1(火) - 5/6(火)
420年の歴史を持つ茶陶「髙取焼宗家」による、銀彩や漆を施した新作。代々受け継がれてきた炎の記憶が、うつわの「美」と茶と酒の「香り」を介して心をつなぐ一杯となりますように。
Launching new work by the Takatori Yaki Souke, a tea ceremony potter with a history of 420 years, decorated with silver and lacquer. May the memory of the flame passed down from generation to generation become a cup that connects the heart through the "beauty" of the vessel and the "aroma" of tea and sake.
髙取焼
遠州七窯の風格を今に伝え、「綺麗さび」の世界を確立した髙取焼。
筑前福岡藩主黒田長政が朝鮮出兵の際、陶工・髙取八蔵(八山)を連れ帰り、鷹取山南麓(現在の福岡県直方市)に築窯させたのが始まりとされています。その後移窯を繰り返します。 黒田藩の御用窯として栄えた髙取焼は徳川将軍の茶道指南役・小堀遠州の指導を受け、遠州七窯の一つに選ばれ、茶陶・髙取焼として名を高めました。
髙取焼の特徴は、「掛け分け」、「面取」、「流し掛け」と呼ばれる技法と、陶器でありながら磁器のような薄さと軽さが持ち味で、精密な工程、華麗な釉薬、きめ細かく繊細な生地が特徴です。
鉄さび、藁灰、木灰、長石を原料として微妙な調合で作られた釉薬を駆使して焼成される茶陶類は、気品に満ち溢れています。

今回の特集では、髙取 春慶さんによる、髙取焼の黒い釉薬と銀彩の融合したもの、漆を施した作品を主軸に展開します。溶岩のような質感と、髙取焼の釉薬と銀彩の特徴が三位一体となって、見るものを飽きさせない魅力的な商品展開となっています。

戦国の頃より420年の時を越え、髙取焼は「土」という自然界からの恵みを茶湯の「うつわ」へと昇華させ受け継がれて参りました。日々作陶を精進していく中で、髙取 春慶さんが学生時代に学んだ金属工芸との融和は自然ななりゆきだったかもしれません。

代々受け継がれてきた炎の記憶が、うつわの「美」と茶と酒の「香り」を介して、心をつなぐ一杯となりますように。

髙取 春慶
Shunkei Takatori
髙取 春慶
Shunkei Takatori
髙取焼宗家
1989年 十三代八山の長男として生まれる。
2010年 九州造形短期大学卒業。帰窯後、3年間作陶。
2015年 遠州流茶道宗家 小堀宗実御家元の許で修行。
2018年 帰窯後、十三代の指導の許陶芸に励む。
この特集では、十三代 髙取 八山さんの茶碗や器もご覧いただけます。髙取焼宗家の世界感をお楽しみください。
髙取焼宗家
筑前黒田藩の御用窯であった髙取焼は、慶長5(1600)年、現・福岡県直方市郊外の鷹取山南麓において築かれた「永満寺窯」にはじまります。この窯を築いたのが、髙取焼始祖、八山。現在、福岡市、直方市などの窯元で髙取焼は作られており福岡の名産品となっていますが、東峰村にある髙取焼宗家は髙取八山直系の窯元です。