開町400年の歴史をもつ富山県高岡市

高岡銅器の歴史は、加賀藩2代目藩主前田利長公が1611年に地場の産業の育成を目的として、現在の富山県高岡市金屋町に7人の鋳物師を招き入れたことに始まります。

銅器の町として知られる富山県高岡市には、金属加工の高い技術を持った職人が集まり、伝統的な仏具から現代のライフスタイルに合ったモダンなテーブルウェアまでさまざまなプロダクトが生産されています。

1860（万延元）年創業、160年以上の歴史を持つ大寺幸八郎商店は、今もなお江戸時代の風情を残す高岡銅器発祥の地とされる”金屋町”にて、初代幸八郎が鋳物工場を始め、現在は製造卸のかたわらショップとカフェを併設し高岡銅器の魅力を発信しています。

錫のアクセサリー「kohachiro」

今回ご紹介するのは、錫（すず）をつかったオリジナルアクセサリーブランド「kohachiro」。
プロダクトデザイナーだった大寺桂（おおてらかつら）さんが2018年に立ち上げました。美大時代に金工を学んだ経験があり、家業を手伝い店頭に立つうちに錫という素材に魅了されていったそうです。

錫は、抗菌性に優れ金属特有の匂いも少ない素材。いちばんの特徴はやわらかさ。232度で溶ける性質を持つ錫を　溶かして延ばし、はさみで切り、手で曲げ、ひとつひとつ制作しています。

柔らかさ故のやさしい色合い、経年による色の変化、曲げた時に現れる表面の無数のしわ模様など　今でも驚きをもって錫と対峙しています素材と対話しながら、魅力を最大限に引き出すデザインを生み出しています。