嘉助窯 三川内焼(長崎)Kasuke kiln - Mikawachi ware from Nagasaki-
2/1(土) – 2/28(金)
繊細かつ緻密な彫りで高度な技を駆使した三川内焼を象徴する「透かし彫り」の伝統技法を受け継ぐ嘉助窯。繊細な透かし彫りが美しい香炉に加え、茶道具や懐石の器なども揃います。
Kasuke Kiln inherits the traditional technique of "openwork carving," which is one of the symbolize Mikawachi Pottery's advanced skills in delicate and intricate carving. In addition to beautiful incense burners with delicate openwork carvings, we also offer a selection of tea ceremony utensils and kaiseki dishes.
三川内焼は長崎県佐世保市の陶磁器で、平戸藩主・松浦鎮信が朝鮮出兵の際、平戸に連れ帰った陶工達に焼物を作らせたのが始まりとされ、江戸時代には平戸藩の御用窯として幕府や朝廷への献上品を制作していました。 藩の保護により、時間や技術・材料を惜しまず完成度の高い焼き物を追求していました。
そうして生まれたのが、白磁の焼き物の中でも、特に美しいのが「透かし彫り(すかしぼり)」と呼ばれる技術です。白磁を細かく彫りぬいて光や向こうの景色が透けるように加工した透かし彫りは、三川内焼の中でもひときわ目を引きます。

透かし彫り(すかしぼり)は、繊細な技法を駆使した「細工物(さいくもの)」と呼ばれるなかの一つで、器面の一部をくり抜いて模様を表す技法です。素地が乾燥する前に直接穴を開けていきますが、一つくり抜くごとに不安定になるため、全体のバランスを慎重に見計らいながら作業が進められます。みかわち焼では全面を彫り、籠の編み目のように見せる一つの限界点まで発展していきました。江戸時代17世紀に始まり、明治・大正時代にはより複雑な技術を極めた作品が生まれました。

「嘉助窯」この繊細で緻密な「透かし彫り」の技術を、今に受け継いでいる窯元です。
今回は、この透かし彫りをほどこした貴重な香炉が数点ほど届き、身近に細工をご覧いただけます。
その他にも、江戸時代の御用窯のもっていた染付の品格を彷彿とさせる、茶道具や懐石道具を得意とする嘉助窯の、意匠美しい器の数々をお愉しみいただけます。
どうぞこの機会に、繊細優美な嘉助窯の三川内焼をご堪能ください。