中島忠平漆器店 輪島塗(石川)Nakajima Chubei Lacquerware Shop, Wajima Lacquerware (Ishikawa)
1/2(木) - 1/31(金)
能登半島地震から1年、今でも多くの工房や技術者が不自由な状態での活動を強いられている中、少しづつ前に進んでいることをお伝えしたい、と中島忠平漆器店より漆器が届きました。
One year has passed since the Noto Peninsula earthquake, and while many workshops and craftsmen are still forced to work under crippled conditions, we have received lacquerware from Nakajima Chubei Lacquerware Shop to let us know that they are moving forward little by little.
令和6年能登半島地震から1年経ちました。
1月の地震に加え9月の豪雨で工房が被災し、今でも多くの工房や技術者が不自由な状態での活動を強いられています。工房や店舗のほとんどが大きな被害を受け、制作の場所や道具を失い、作品が被害にあうなど、完全な復興までには膨大な時間が必要であると言われています。
そんな中、今回毎年年末年始に特集をしていた中島忠平漆器店より、いくつかの漆器が届きました。まだまだ多くの漆器をお届けすることは出来ませんが、それでもこうして前に進んでいることをお客様に伝えたい。思いと共にお客様にお届けすることで、これからの輪島塗の復興や継続への一助となりますように。
輪島塗
日本を代表する工芸品である漆器。なかでも縄文時代前期(約5000年前)から脈々とその伝統を受け継いできたところが能登半島であり「輪島塗」です。
輪島塗の大きな特徴として、輪島の地の粉が使用されているということです。地の粉とは輪島付近の小峰山から出る粘土を焼いて作ったもので、それを輪島塗の下地に用いることで輪島塗が丈夫だといわれる大きな要素の一つとなっています。その他に、木地の外側や損傷しやすい箇所に漆で麻布を貼る布着せの技法も輪島塗ならではの工程です。
特に、輪島塗は他産地には類を見ない丁寧な塗りが魅力のひとつで、塗り上げるまでに20工程以上、総手数では75~124回にも及ぶ丁寧な手作業で作られています。手間もコストもかかる本堅地で統一したことでブランドとしての価値を高め、安価に作ることに重きを置かず技術を守ってきたのが輪島塗の特徴です。
また、輪島塗の優美さは塗面の美しさとそこに施された加飾によって創り上げられています。加飾では特に、沈金(ちんきん)技法は輪島で完成したといわれ、多くの名工を育ててきました。
このように、輪島塗は堅牢な塗りと加飾の優美さを特徴とし、日本を代表する漆器として高く評価され、1975(昭和50)年には、通商産業省(現:経済産業省)の伝統的工芸品に指定され、さらに1977昭和52年4月25日には国の重要無形文化財に指定されました。
中島忠平漆器店
輪島塗の老舗 中島忠平漆器店は、明治5年創業。能登の国輪島鳳至町に居を構え、塗師(初代)忠平を号し、以来伝統工芸輪島塗漆器を製作してきました。誇るべき伝統的な技術や永く愛されている商品を守りつつ、一方で、国内外含めより多くの場面で用いられるよう、華やかな宴を彩るおおぶりなオードブル重など、従来にはなかった新しいスタイルの漆器を生み出しています。