着物用反物から作る一点物バッグ 室町呉袋One of a kind bag made from kimono fabric 'Muromachi gofukuro'
3/15(水) - 4/4(火)
呉服の街として盛えてきた京都室町通りの蔵に眠る、着物用反物生地をアップサイクルした「室町呉袋/ムロマチゴフクロ」。色とりどりの反物生地の柄や幅を活かしたトートバッグ。
'Muromachi gofukuro' is a line of upcycled kimono fabrics that lie in storehouses on Kyoto's Muromachi Street, which has flourished as a kimono town. This tote bag makes use of the patterns and widths of colorful kimono fabrics.
昨今叫ばれるSDGsの取り組みの一環として、「アップサイクル」が注目されています。
「室町呉袋」のバッグは、まさに美しいアンティーク生地のアップサイクルです。長く蔵に眠ったまま日の目を見ることのなかったアンティーク呉服用生地を、使い勝手やデザイン性にもこだわりながらバッグに変身させることで、今までにない価値のある商品としてお届けしています。
蔵に眠る着物生地をアップサイクル
京都中心地を南北に走る烏丸通りのひとつ西側に位置する室町通り。
かつて足利3代将軍義満が「花の御所」と讃えられた室町殿を、室町通今出川付近に造営したことが室町幕府、および室町時代の由来となっています。その後、室町通りは江戸時代から呉服の街として盛え、全国有数の呉服問屋街に発展、現在も創業数百年の老舗呉服問屋が軒を連らねています。
しかし、ライフスタイルの変化とともに、日本人が着物を着る機会、着物を買う機会は数十年前に比べてぐっと減り、近年、京都市の呉服出荷率は全盛期から93%減少したと言われています。
このような時代背景の中で、「着物に仕立てられる機会がないまま、ずっと蔵に眠っている美しい反物が数多くある。それらをアップサイクルさせて、新しい価値ある製品を作れないか」という呉服商たちの想いを受けて始まったのが、室町呉袋プロジェクトです。
また、長く続くコロナ禍においてモノの消費は冷え込んだことにより、高い技術力を持ったまま職を失った方が多くいます。京都の縫製業界もまた例外なく大打撃を受けているのが現状です。今までになかった新しい価値ある商品を生み出すと同時に、京都の縫製職人の方たちに新しい仕事を届けることに繋がっています。
蔵に眠る着物生地をアップサイクル
素材である呉服用反物生地は、京都室町の呉服問屋から出荷され、日本中の呉服店に陳列されていたモノや室町の倉庫に眠っていたモノと様々な歴史を持っています。古い反物の中には1970年代のモノもあり、希少価値の高い一点モノの生地も多くあります。
大島紬、結城紬、黄八丈などの高級呉服生地をはじめ、浴衣用の生地、訪問着や羽織用の生地、袋帯や名古屋帯などを使用した豪華なものまで多岐に渡ります。
また、反物幅を生かし、サイズを決めることで、できる限り生地に余りを出さないよう裁断の仕方も工夫しています。と同時に、古くから日本人の生活の中で使われてきた尺貫法による「尺」を基準にしたサイズ展開に拘り、今までもこれからも、日本人の生活になじむよう心がけています。
そして、産地も素材も違う多種多様な素材や柄の個性を見極め、ひとつひとつ見た目だけで無く丈夫さなども意識して縫製しています。長年着物を扱っていた縫製職人だからこそ、と言えるでしょう。
ぜひこの機会に直接手にしていただき、呉服用反物の現在ではなかなか出逢えない、見ているだけで楽しくなる、ユニークで大胆な柄行きを楽しんで下さい。きっとあなたのお気に入りに出会えることでしょう。