骨董のある風景 師走 正月事始めJapanese Antiques - Preparation of the New Year
今年もあっという間に師走。関東では12月8日、関西では12月13日を「事始め」の日とし、この日から正月準備を始めます。
Only a month left this year. December 8th or 13th is known as the "starting day", beginning of preparation for the New Year. Don't forget the tableware as well as the New year dish preparation.
正月事始め
関東では12月8日、関西では12月13日を「事始め」の日として、この日からお正月の準備を始めます。煤払いや、お世話になった方へのご挨拶が済めば、あと残るのは年取やお節の準備です。買い出し、お煮しめの下拵えなどと共に、器の準備もお忘れなく。
どの器にどのお料理を盛り付けるか、小さな付箋に書いて貼っておくとあとが楽です。
七寸皿の上には一回り小さいお皿を重ねてコーディネートしてみてください。上のお皿から使っていき、折を見て上のお皿を下げれば、下の新しいお皿が出てきます。お客様が多くてテーブルの上が混雑しがちな時に使える技です。
霜夜のもてなし
木枯らしが吹き、枯葉散る季節。皆が耳を冷たくして帰路に就くころ。
寒い日に熱々のスープは何よりのご馳走。甘みがあるこの時期の蕪をポタージュ仕立てにしてみました。
菓子椀は本来その名の通り、主菓子を盛り付けるお椀でしたが、料理にも使われます。むしろお菓子を盛り付けることが少ない現在に至っては、煮物椀に最適です。蕪と同じくこの時期に美味しくなる大根をふろふきにして、柚子味噌や餡かけにしたものは、菓子椀にぴったりです。蓋があるのでお料理が冷めません。
この季節にはこってりとしたお料理が恋しくなります。
骨董の八角皿に、中華風の味付けをした豚の角煮を盛り付けました。
伊万里の金襴手は、中国で明王朝が滅びた際に景徳鎮の陶工が伊万里に渡ってきてから始まり、その技術が向上していったという一説があります。だから中国料理が合うのは当然なのです。中国料理だけでなく、和洋中と懐深く受け止めてくれるのが骨董の一番の魅力かもしれません。
文/写真:藤川佳惠
*歴史の解釈には諸説ありますので、あくまでも一説とお考えください。