「SANJIKU」で使用している布地の起源は、京都で1000年以上前に誕生したといわれる「京くみひも」にあります。
寺社の装飾や天皇家などの装身具に使われてきた「京くみひも」の特徴は、糸を交互に交差させて組みながら紐に仕上げること。
40年ほど前、「京くみひも」と同じく組んで織りあげるイタリアの「トーションレース」の機械を見た帯の職人が、自分も組み織りの技術を応用した帯がつくりたいと思い、織機を開発して作りはじめたのが、三軸(=SANJIKU)です。
三方向に走る糸が複雑に絡み合ってできた特殊なシルクの布地は、シルクの自然な光沢と繊細な色の移り変わりに独特の美しさがあり、シワになりにくく伸縮性に加え強度があるため、着物の帯として大変重宝されました。
直径5m、高さ3mにもなる巨大な円形の織機は今も現役。デジタル化する現代の織の世界にあって、この独特で繊細なグラデーションや複雑な模様を生み出すのは、なんともアナログな細かい穴がたくさん開いた紋紙です。環状線上に差し込まれた約480本のボビンに不具合がでないよう職人たちによって常に見守られながら、なめらかなあぜ道の続く京都のはずれで、このアナログな織機は今日もガッシャガッシャと軽快な音を響かせています。
日本ではあまり知られていなかった「三軸」でしたが、ヨーロッパで活躍するデザイナーとコラボレーションし、上海やパリの展示商談会で大きな注目を浴び、有名ブランドのバッグの布地にも採用され、いま、国境やジャンルを超え、想像力あふれる新しい価値ある製品「SANJIKU」を次々と生み出しています。
海外で認められることで、日本でも見直された日本の布「SANJIKU」の上品で女性らしい風合いは、母の日のプレゼントとしても、きっと喜ばれることでしょう。
近江屋株式会社
未来につながる、キモノのカタチ
「日本の伝統文化を支える創り手を応援する」その答えが、伝統技術と現代的な感性(=デザイン)の融合でした。300人を超えるキモノのつくり手たちとの信頼関係を土台に、デザイン力・創造力・商品力と、キモノをつくる「技」を融合させ、国境やジャンルを超え、想像力あふれる新しい価値ある商品を生み出し続ける、京都から「キモノの文化」と「キモノをつくる技」を発信する呉服専門商社です。